2024年 5月 3日 (金)

メルカリ、「世界企業」になれるか その期待と課題

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   フリーマーケットアプリを展開するメルカリが2018年6月19日、東証マザーズ市場に株式を上場した。公開価格3000円を66%上回る5000円で初値がつき、初値ベースの時価総額は約6760億円と今年最大の新規株式公開(IPO)となった。

   メルカリは上場で得た資金を海外事業へ振り向け、「グローバル企業」へ脱皮したい考えだが、足元では赤字に苦しんでおり、成長軌道を描けるかは未知数だ。

  • マザーズ上場でメルカリはどうなるのか(画像はイメージ)
    マザーズ上場でメルカリはどうなるのか(画像はイメージ)
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スマホで撮影し、簡単に出品できる手軽さが受けた

「私は野茂英雄さんの大ファンです」「野茂さんがその1球1球に魂を込め、『いいボールを投げる』ことで世界を魅了したように、我々メルカリも、安心・安全に誰もが楽しんでいただける『いいプロダクトをつくる』ことを追求し、日本を代表する企業になっていきたい」――。

   メルカリ創業者の山田進太郎・会長兼最高経営責任者=CEO(40)は上場にあたり、元メジャーリーガーと自社を重ね合わせたメッセージを公表した。世界を舞台に活躍する企業になりたいという強い決意がにじみ出ている。

   山田氏がメルカリを創業したのは2013年。世界一周の旅で、個人が不要品を売買できるアプリを思いついたという。テレビCMなどで知名度を上げ、コンビニや宅配業者と連携。QRコードを利用した匿名配送やワンタッチ決済に対応したほか、安価な配送料金を実現した。スマートホンで撮影し、簡単に出品できる手軽さが受け、アプリには服やアクセサリーなど月2400万点の中古品が並ぶ。商品の10%を手数料として徴収するシンプルなビジネスモデルで、国内のフリマアプリでは「一人勝ち」の状況だ。国内事業の2017年7月~18年3月期の営業利益は50億円と、順調に伸びている。

現地に合わせてビジネスモデルを再構築する必要

   一方、米国には2014年に進出したが、知名度は高くない。インターネットオークション市場だけでも日本の10倍以上の市場規模があるため、チャンスは大きい。しかし営業損益は69億円の赤字で、黒字転換への確かな見通しは今のところ示せていない。

   米国ではガレージセールなど中古品売買の場があるほか、コンビニなどを利用した、きめ細かな配送・決済システムがない。日本での成功体験は通用せず、現地に合わせてビジネスモデルを再構築する必要がある。利用者のニーズをつかみ、アプリの使い勝手をきめ細かく向上させて、ライバルに負けない魅力的なサービスを提供できるかがカギを握りそうだ。

   メルカリの目標は、まず米国で成功したうえで「世界的なマーケットプレイス」になることだ。米アマゾンやフェイスブック、中国アリババなどに匹敵するような、グローバルなネット企業は、日本からは生まれていない。メルカリはその第1号となれるのか。米国事業の動向をもう少し見極める必要がありそうだ。

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