2024年 4月 24日 (水)

残り1分の3点目、ベルギーカウンターは誰の責任? 山口蛍、「棒立ち」の原因とは

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   日本のロシア・ワールドカップ(W杯)は、後半残り1分を切ろうかという時間に突き刺さったベルギーのカウンターで、決勝点を奪われた。

   このシーンで注目されている選手がいる。途中出場のMF山口蛍だ。カウンター時、高速ドリブルを仕掛けたMFケビン・デブライネと正対する位置におり、対応をめぐって議論が起きている。

  • サッカー日本代表の山口蛍
    サッカー日本代表の山口蛍
  • 後半終了間際のベルギーカウンター時、長友佑都(左)と長谷部誠も最終ラインで守備に当たったが、数的不利の状況だった
    後半終了間際のベルギーカウンター時、長友佑都(左)と長谷部誠も最終ラインで守備に当たったが、数的不利の状況だった
  • サッカー日本代表の山口蛍
  • 後半終了間際のベルギーカウンター時、長友佑都(左)と長谷部誠も最終ラインで守備に当たったが、数的不利の状況だった

約9秒の高速カウンター

   2018年7月3日未明のW杯決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦は、原口元気、乾貴士のゴールで2点先制後、ベルギーのフェルトンゲン、フェライニのゴールで2-2。目安4分の後半アディショナルタイムに入ると、本田圭佑の直接FKをGKクルトワがセーブし、日本がCKを獲得した。

   本田がCKでゴール前に放り込んだボールは、クルトワが直接キャッチ。いち早く中央で前線へ走り出していたデブライネへと素早くパスを投げ、高速カウンターがスタートした。

   デブライネがハーフラインを越えた時、相対したのがボランチ山口蛍だ。半身になってジリジリとバックステップを踏んだが、パスコースのカットや十分なディレイ(遅らせること)ができず、ほぼトップスピードを維持されたまま、ベルギー右サイドを駆け上がったDFトーマス・ムニエにスルーパスを出される。ムニエはグラウンダーのクロスを上げ、逆(左)サイドからゴール前に走り込んだMFナセル・シャドリの決勝点につながる。クルトワがボールを投げてからわずか9秒ほどだった。

   この場面、ツイッター上では「なんで山口蛍棒立ちだった」と、山口の対応を問う声があがった。だが「棒立ち山口無能説を唱えたい人はどうして欲しかったの?」との反論も出た。

   具体的に山口はどんな状況だったか。デブライネのドリブル時、ベルギーのカウンターに参加していたのはムニエとシャドリ、さらに左にFWエデン・アザール、最前線にFWロメル・ルカクがおり、少なくとも計5人。

   一方、CKのため前線に人数をかけていた日本の守備陣は、山口と、ルカクをマークしていたDF長友佑都、中央~逆サイド(シャドリとアザール)のスペースをケアしていたMF長谷部誠の計3人。山口は目の前のデブライネと、長友・長谷部がケアしきれないムニエの2人を気にしなければならないような状況にも映る。

   そのムニエは、ルカクがいったん右サイドに張り出してから斜めに中央へ、マーカーの長友を引き連れながら走ってできた広大なスペースを使い、デブライネのスルーパスを引き出した。スルーパスの瞬間、長友は受け手のムニエへやや遅れてチェイス、その分空いたルカクのマークは長谷部にスイッチした。

   マークがつくルカクは、ムニエのクロスをスルー。ルカクの先でフリーだったシャドリがダイレクトでゴールに流し込んだ。相手ゴール前から全速力で戻っていた昌子源は、あと少しのところでシュートに間に合わなかった。

「難しい判断であり、周りの選手も影響している」

   9秒間でベルギーは複数の選手が有機的に連動した。しかも日本が数的不利な状況にあって、ボールホルダーに一番近い山口の取るべきディフェンスについては議論が噴出した。

   サッカージャーナリストの河治良幸氏はツイッターで3日、「この試合内容で誰か選手を責めるつもりはない。ただ強いていうと山口蛍選手の最後の守備はせっかく(編注:デブライネの)縦を切ったのに、そこから下がりながら対応しようとして深い位置に進出され、(ムニエへの)パスから裏を取られてしまった。あのシーンこそハリルの3年間の教えを発揮して欲しかった」と指摘。ただ、「飛び込めとは言ってないです」とし、「難しい判断であり、周りの選手も影響しているシーンなので、異論や結局やられたのではという意見があるのは当然」と答えが出ない様子だった。

   サッカーライターの結城康平氏はツイッターで同日、「色々な意見があり、理解出来ない訳ではないが『そもそも、デ・ブライネが前を向いてトップスピードでボールを運んできており、自分の背後と左右をアタッカーが狙っている』状況にされてしまっている中、山口に完璧な判断を求めるのは酷な話なのではないか?」と、お手上げの思いを吐露した。

   一方、スペインで監督資格を持つ堀江哲弘氏は、ツイッターで同日「ボールホルダー(編注:デブライネ)に味方プレスがかからない状態ならばDFラインの選手(山口)は相手シュートレンジ(最低ペナ外10メートルの高さ)まで後退。そこでも味方プレスがないなら自分(山口)がプレスにいくのが原則」と一般則を書いた上で、

「実際はゾーン2(編注:ピッチをゴールラインと平行に3等分した中央エリア)からプレスにいって突破された。初歩的な戦術ミス」

と、山口のプレスのかけ方の落ち度を指摘した。

   ツイッター上では他にも

「ディレイを狙った山口蛍だけど、若干相手のボールタッチが大きくなったときに寄せていれば...ファウルで止めることはできたはず」
「ファールを貰ってでも止めに行けって...行ったとしてもパスされて終わりじゃないかな? 山口蛍を一方的に責めるのは違うと思う」

と無数に意見が流れた。

   なお、カウンター以前にCKの本田がショートコーナーを選んでキープに入り、延長戦に持ち込むべきだったのではないか、という意見もある。

   だが、西野朗監督は試合後の会見で「あの時間でFK・CKのチャンスがあり、決めたい気持ちはあった」と、勝ち越し点を取りに行くスタンスだったことを明かしている。

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