2018年 10月 17日 (水)

韓国騒然「バルチック艦隊の金塊」とは? 総額「15兆円」日本でもかつてブームに

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   海底に眠る、沈没船の財宝。この言葉に、人間は弱いらしい。はるか昔から命知らずたちが、お宝を求めて海に潜ってきた。

   17世紀、英国のウィリアム・フィップスは難破船の引き上げに成功、その財で一介の山師から、総督にまで上り詰めた。1枚1億円の金貨を多数積んだまま、1715年に沈没したスペインのエル・セニョール・サンミゲル号は、今なおトレジャーハンターの垂涎の的になっている。

   今、韓国が「沈没船の財宝」に揺れている。その金額はなんと、15兆円近くだ。しかもそれは、日本にも縁のある話だという。

  • 15兆円を積んでいた?ドミトリー・ドンスコイ(1897年)
    15兆円を積んでいた?ドミトリー・ドンスコイ(1897年)
  • 海底で発見された、ドンスコイの船体の一部とされるもの(シンイル・グループのプレスリリースより)
    海底で発見された、ドンスコイの船体の一部とされるもの(シンイル・グループのプレスリリースより)

バルチック艦隊「もう一つの任務」あった?

   「宝船」「150兆ウォン(約15兆円)の価値」――2018年7月17日を皮切りに、こんな見出しが韓国メディアを相次いで飾った。

   「宝船発見」を報告したのは、韓国のシンイル・グループだ。15日朝、鬱陵島から1.3キロ、水深434メートルの海底で、朽ち果てた軍艦を見つけた。巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロシア帝国・バルチック艦隊の一隻である。

   ご存じのとおり日露戦争中の1905年、バルチック艦隊は対馬沖で、東郷平八郎率いる日本海軍と戦い、大敗を喫する。ドンスコイも奮戦したが、ついに鬱陵島周辺で自沈に追い込まれた。

   そのドンスコイが、なぜ今注目を集めているのか。実は、ドンスコイには総額15兆円という、大量の金塊が積まれていたという説があるのだ。

   話はこうである。1904年、極東に向け出港したバルチック艦隊には、もう一つの任務があった。欧州でかき集めた莫大な戦費を、ロシア本国に届ける、というものだ。ところがその行く手は日本に阻まれる。艦長は財宝を奪われないためにも、船ごと海底に沈めた――。

   問題は、財宝がどの艦にあったか。日本では、対馬沖に沈んだ僚艦「アドミラル・ナヒモフ」が、その最有力候補とされた。日露戦争直後から「財宝」の噂は広がり、大正時代には引き揚げに挑む人が出始める。2004年の朝日新聞記事には、「戦前は夏場になるとよそから人が来て、『軍艦揚げ』に挑戦した」との、対馬の高齢者の回想がある(12月20日付朝刊)。

あの「ドン」も200億費やした

   ブームが起きたのは1980年だ。日本船舶振興会会長で「ドン」の異名を取った、故・笹川良一氏が食指を伸ばしたのである。プラチナのインゴッドとされるものが発見されたことで、メディアも一斉に取り上げた。議論は国会、また所有権を主張した当時のソ連をも巻き込み、国際的な政治問題に。

   親族の笹川能孝氏の著書によれば、投じた私財は200億円に達したとも当時噂された。その真の狙いは、財宝を北方領土返還の交渉材料にすることだった、とも。が、金塊はついに見つからず。成果は主砲のみだった(現在もお台場・船の科学館に展示されている。ちなみに探索船には、「世界は一家 人類は兄弟」という例の文句があったとか)。

   さすがにこの失敗で、日本では金塊熱は下火に。以後、ほぼ忘れ去られていた。しかし、それと入れ替わりに盛り上がったのが、韓国だ。

本当に「金塊」は積まれているのか

   韓国ではこの「バルチック艦隊の金塊」が、鬱陵島近くに沈んだドンスコイに積まれていた――との説が広まった。笹川氏の挫折から間もない80年代には、すでに引き揚げ話があったという。90年代末にも企業によって本格的な探索が行われたが、やはり失敗に。しかしその後も「金塊伝説」は止むことなく、ついに今回のシンイル・グループの「発見」につながった。

   もっとも、ドンスコイに本当に金塊があるのかは定かでない。そもそも、バルチック艦隊が多額の戦費を輸送していた、という話の真贋自体あやふやだ。根拠としてしばしば「日露戦争当時の駐仏大使の電文」が引用されるが、外務省ではその存在を確認できていないという(80年10月28日、参院内閣委員会)。韓国大手テレビ局・SBSも財宝説には「歴史的根拠がない」と断じた。

   韓国内ではこのほか、シンイルの企業実態や「発見」の真否など次々と議論が持ち上がっている。113年前の沈没船は、本当に現代の「宝船」か。結論が出るにはまだ時間がかかる見込みだ。

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