あまりの暑さに、「蚊」も夏バテ気味――? 列島各地で気温40度超えを観測するなど歴史的な猛暑が続くなか、インターネット上に「例年より蚊を見かけない」「全然刺されないな」といった書き込みが続出している。実際、2018年7月26日夕時点でツイッターの検索欄に「蚊」と入力すると、予測関連ワードには「いない」の3文字が。それだけ多くの人が、蚊の少なさを実感しているワケだ。では、暑さと蚊の活動に関係はあるのだろうか。J-CASTニュースが、金鳥の蚊取り線香でお馴染みの大日本除虫菊(大阪市)、「ベープマット」のフマキラー(東京・千代田区)の2社に聞いた。蚊取り線香の売上にも影響が「蚊取り線香をはじめとした蚊用の殺虫剤、虫よけスプレーに関しては、前年に比べて売り上げが下がっています。特に気温が35度を上回っていた先週(編注・7月15~21日)はあまり良くなかったようです」26日の取材にこう明かしたのは、大日本除虫菊の広報担当者だ。ネット上の反応が示している通り、やはり今夏はこれまでのところ蚊に悩む人が昨年より少ないようだ。実際、ある別の殺虫メーカー関係者も同様に、「市場全体の動向からみても、厳しいですね」と話していた。ただ、暑さと蚊の関係について、大日本除虫菊の広報は「この暑さで発生源となる水場が干上がり、蚊が発生しにくい環境とは言えると思いますが、少なくなっているかどうかはわかりません」と補足。ただ、あまりに暑いと蚊の活動が鈍ることは確かだとして、「あまり見かけないため、蚊が少ないと感じるのだと思います」と指摘。続けて、「蚊は潜んでいるだけなので、比較的涼しい朝や夕方にはまた吸血活動をしますので、油断は禁物です」としていた。気温35度を超えると「吸血活動が鈍る」また、フマキラーの広報担当者は、蚊が活動するのに最適な気温は約25~30度だとして、「気温が35度を超えるような場合は蚊の動きが活発ではなくなり、吸血活動が鈍る傾向があります」と説明。その上で、熱中症の恐れから外出を控える人も多いため、より蚊に出くわすケースが減っているのではないか、とも分析していた。また、蚊用の殺虫グッズの売り上げについても、「前年のペースには届きません」。ただ、フマキラー広報は「実は、猛暑になると蚊の数が増える傾向があります」と明らかにした上で、「今後、気温も徐々に蚊が活動しやすい程度に落ち着いていくでしょうし、売上のピークが後ろにズレ込むのではないかと期待しています。また、今年は残暑が厳しいと予測されていますので、まだまだ蚊に油断してはいけませんよ」と話していた。
記事に戻る