2018年 10月 21日 (日)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
大統領が引き起こす不安障害「TAD」

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「トランプがいつか『核のボタン』を押すのではないかと、本当に心配だわ」

   カリフォルニア州在住のダイアン(50代)だけでなく、何人ものアメリカ人の口からこの言葉を聞いた。

   トランプ大統領の就任一年後、ニューヨークの地下鉄のホームのベンチで隣にすわったニカラグア出身の女性(30代)は、トランプ氏について意見を求めると、片言の英語でひと言、「怖い(I'm scared.)」とつぶやいた。その人は合法移民だったので、何も怖がることはないでしょう?」と聞くと、「トランプが何をするか、予測できない」と首を横に振った。

  • トランプ大統領(C)FOMOUS
    トランプ大統領(C)FOMOUS

性別、人種、宗教などに関係なく発症

   2018年5月、ニューヨーク市内の住宅地で美しく咲き誇る藤の花に足を止めると、同じようにそこで立ち止まって写真を撮り始めた女性(48)が、イラン出身だった。トランプ氏がイラン核合意からの離脱を表明した翌日だったこともあり、私がその話をすると、「イランの怒りが爆発したら、核戦争になるかもしれない」と恐れていた。

   精神科医や精神分析医などによると、トランプ大統領の就任以来、米国では「トランプ不安障害(TAD=Trump Anxiety Disorder)」に苦しむ人が増えている。一般の不安障害とは異なり、トランプ氏に関わるもので、性別、人種、宗教などに関係なく発症するという。

   トランプ氏の挑発的な言動に、「人類が滅亡するのではないか」、「戦争が始まるのではないか」、「次に何が起きるのか」という不安や絶望にかられる。ソーシャルメディアで過度に時間を費やし、夜眠れないなどの症状が見られる。

   2017年8月、トランプ大統領がツイッターに、「北朝鮮が米国をこれ以上脅かせば、北朝鮮は「世界がこれまで目にしたことのない炎と怒り(fire and fury)に直面する」と投稿し、人々を震え上がらせた。

   2018年7月、イランのロウハニ大統領に宛てて、すべて大文字で次のようにツイートした時にも、多くの人に衝撃を与えた。

"NEVER, EVER THREATEN THE UNITED STATES AGAIN OR YOU WILL SUFFER CONSEQUENCES THE LIKES OF WHICH FEW THROUGHOUT HISTORY HAVE EVER SUFFERED BEFORE. WE ARE NO LONGER A COUNTRY THAT WILL STAND FOR YOUR DEMENTED WORDS OF VIOLENCE & DEATH. BE CAUTIOUS!"
(決して、二度と、米国を脅したりするな。さもないと、過去の歴史でもまれに見る苦しみの報いを受けることになる。我々はもはや、お前の暴力や死などの狂ったたわごとを許すような国ではない。心しておけ!)
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