2019年 4月 21日 (日)

山里亮太、憲法を考える 第9条と総裁選の行方

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J-CASTニュース名誉編集長・山里亮太(南海キャンディーズ)
J-CASTニュース名誉編集長・山里亮太(南海キャンディーズ)

   自衛隊の在り方をめぐって第9条をどう読み解くか――。いま安倍政権がすすめている「憲法改正」についてさまざまな議論が行われています。

   明日投開票が行われる自民党総裁選でも「憲法改正」は大きな争点です。

   日本国のグランドデザインである「憲法」とはいったい何なのか。J-CASTニュース名誉編集長の山里亮太が、日本国憲法の第一人者である戸松秀典氏に、憲法の考え方を取材しました。

安倍首相は憲法を変えられない

憲法学者の戸松秀典氏
憲法学者の戸松秀典氏

山里: ニュースの見方もあると思うんですが、特に「第9条」の改憲問題がワイドショー的な取り上げられ方をみると、「日本がもう戦争できる国になっていいのか」「いやいや、そうじゃない。戦争にはならない」とか言われていて。ものすごく怖い話し合いが行われているんですよね。
憲法を変えることって僕らにとってすごく嫌なことが起こるんじゃないかっていう一面しか届けられていないと思うんですが。

戸松: 安倍晋三首相が変えるって言っているのですよね。しかし、そもそも、憲法を改正するのは、一国の首相や大臣の役割じゃないのですよ。憲法99条が定めるように、首相や大臣は憲法を尊重し擁護する立場にあります。もし現行憲法を変えたいと思うなら、首相を辞めて、一政治家として、憲法改正もしくは自民党の目指す自主憲法の制定を推進すべきです。

山里: そうなんですか。

戸松: ええ。政権を担当し維持する政党は、憲法をもとに、憲法のもとで形成する法秩序を推進しようとするものです。それを考えると、日本というのは、憲法の状況が諸外国と比べて「異常」です。日本国憲法の70年余りの歴史において、政権を握り、政権を担っている政党が憲法を改正したいと主張し、逆に、野党が憲法を守ると主張する状態がほとんどつづいているのです。こんな国はないですよ。日本は"逆"なんです。

山里: 言われれば矛盾はありますね。

戸松: 日本の法秩序というのは、合理的説明ができない奇妙な状態となっていることが少なくないです。そうした状態が長年続いていると、多くの人はこういうものだと思ってしまう。その具体例はあとで示すことにします。
ただ、私は、憲法学を専攻して以来、「いつか変わらなくちゃいけない」と思っていたのだけど、結局定年退職するまで変わっていないという感想をここで申しておきます。社会で、皆さんは、このままでよいと思い込んでいるのではないでしょうか。

山里: そうですね、70年間まったく変わっていない。僕が思うのは、生まれたときの時代背景には即しているけれど、もう何十年も経っているから、さすがにこれはもう合わないだろうっていうルールが生まれてくるんじゃないかなって。

戸松: 憲法は、一般的、抽象的なことばで書かれています。あくまでグランドデザインです。私は、法秩序を大樹にたとえると、幹にあたる部分が憲法で、枝葉が法律、条例、規則、命令などの諸法規にあたると説明しています。
みなさん憲法、憲法、と言いますが、憲法に書かれていることばは、概して一般的で抽象的です。
実際皆さんが、何をルールとして認識しているかというと、そのもとに形成されている法律や条例の定めるところです。法律は、憲法の規定から外れないように内容を具体的に定めている。法律に定めることについて問題となる場合、憲法からすぐ論理必然的に答えは出てくるはずはなくて、「この法律は憲法に合っているのかどうか」という議論や検討の過程をふんで、ルールを作っている。

山里: 具体的に法律を作って憲法に照らし合わせたときに、憲法の条文が意味を成すってことですね。

戸松: 第9条についてもそうですよ。

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