2018年 10月 23日 (火)

「転職」の成功率、こうすれば高くなる プロが見てきた「失敗する人」

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   今や転職は珍しくない時代だ。年齢を問わず、人材の流動は激しい。「給与を上げたい」「キャリアアップしたい」という野心的なものから、「やりたい仕事じゃなかった」「上司とソリが合わない」といった現状の不満によるものまで、理由はさまざまあるだろう。

   では、どうすれば転職は成功するのか、そしてなぜ失敗することがあるのか――。J-CASTニュースは今回、急成長を遂げる転職エージェント「Spring転職エージェント」のトップ・板倉啓一郎氏に、「転職の成功率を高める」ために必要なことを聞いた。

アデコ執行役員・人財紹介事業本部長で「Spring転職エージェント」最高責任者の板倉啓一郎氏
アデコ執行役員・人財紹介事業本部長で「Spring転職エージェント」最高責任者の板倉啓一郎氏

Spring 転職エージェントの特長は「職種別専門性」と「360度式コンサルティング」

   Spring転職エージェントは、世界最大の人材サービス会社アデコ(本社・スイス)の日本法人が運営する転職サービス。板倉氏がトップに就任した2014年からの4年で、売上高は約4倍増というめざましい発展を遂げている。今年1月に発表された最新のオリコン「顧客満足度ランキング」転職エージェント部門では、堂々の1位に輝いた。

   急成長の秘密は独自のコンサルティング体制にある。板倉氏は、2つの特長を語る。

「Spring転職エージェントのサービスの特長は、まず部門を業種別ではなく、『職種別専門性』で分けたことです。日本では終身雇用が定着した結果、『就職』とは言うものの、実際にはどの企業で働くかということが何よりも重視される『就社』であるという状態が長らく続いてきました。しかし、いま、どんな仕事をするかという本来の意味での『就職』の考え方が、日本でも主流になろうとしています。Spring転職エージェントが『職種別専門性』を導入したのは、『就職』ならば今後は職種を軸にキャリアアップしていくのが主流になるからです。

職種を軸としたキャリアアップに対応すべく、Spring転職エージェントでは営業、クリエイティブ、経理・財務など職種ごとの部門に分けて担当することで、コンサルタントの専門性を高めています。カバーする範囲が広すぎると、情報の量だけが増えてしまい、質が手薄になりがちです。我々はそうではなく、特定の職種に深く切り込み、他で得られない情報を提供しているのが特長です。

もう1つは、『360度式コンサルティング』と呼んでいる人材紹介の手法です。多くの人材紹介会社では、コンサルタントが転職希望者と面談し、営業担当者が企業を回る、という風に業務を分けています。しかし、Spring転職エージェントでは、すべてのコンサルタントが企業への営業も行います。面談を通じて転職希望者が求めるものを理解するとともに、採用担当者はもちろん、事業部のマネージャーや経営幹部といった企業側のステークホルダーと、ダイレクトに、継続してコミュニケーションをとることで、企業が求める人材を深いレベルで把握する。そうすることで、非常に精度が高い人材紹介が可能になる。これが360度式コンサルティングの大きなメリットです」

   人材とも、企業とも、深く向き合う。Spring転職エージェントのコンサルタントが企業に人材を推薦するときは、何十人ものリストを渡すのではなく、厳選した数名を紹介しているという。

「ひとつの案件に対して20人も30人もリストアップしたのでは、1人ひとりの紹介が表面的になってしまいます。360度式コンサルティングよって転職希望者と企業双方のニーズにあった提案が可能になります」

「求人倍率は歴史的に高く、売り手市場です」

   現在約280人以上いる「コンサルプロ集団」の最高責任者をつとめる板倉氏。今日の転職市場について聞くと、「人手不足」の日本にあって、「求人倍率は歴史的に高く、売り手市場です」と話す。

「より増えているのが社会人2~3年目の若手層、それから40歳以上の方々です。これまでは20代後半~30代半ばが転職者のメイン層でしたが、いまは年齢関係なく活発化しています。誰でも転職する時代に突入しているともいえるでしょう」
日本人材紹介事業協会発表
日本人材紹介事業協会発表

   「売り手市場」を裏付けるような、こんなデータがある。日本人材紹介事業協会によれば、最新2017年度下半期が3万1070人、前年同期比15.9%増だ。14期連続でプラス成長を遂げており、16年度上半期からは4期連続で10%以上の成長を続けている。

まずやるべきは「自己分析」

   いざ転職活動を始める時、インターネットで企業の口コミサイトを見たり、合同説明会に参加したりして情報収集する人は少なくないだろう。だが、板倉氏は「むやみに情報を集めるのは大きな間違いです」と指摘する。

「その前に『自己分析』を固めておかないと、情報の洪水に流されてしまいます。スキル、経験、管理系か営業系かといった業務の向き不向き、チームワークタイプか一人で進めたいタイプか。そういった自分自身の志向や特徴を自己認識した上で世の中の情報を見ないと、惑わされるだけです。実際は自分とマッチしていないのにそう思い込んでしまい、何となく耳当たりの良い情報に流されると、転職して後悔する可能性があります。

どのように自己分析をしたら良いかわからない方は、友人や同僚など、周りの人に『自分はどういうタイプか』と聞いてみるといいでしょう。それから、我々のような転職エージェントと話をするのもおすすめします。どういう人がどうやって成功したか、失敗したかというデータの積み上げがありますので、それに基づいてアドバイスできます」

   企業の情報を得るには、「生の声」を聞くことが大事だという。

「企業のサイトでは、どの会社も素晴らしいビジョンを掲げていますし、近ごろでは働き方改革が注目を集めているため、働きやすさを打ち出している企業がとても多くなっています。良い人材を集めたいのですから当然ですね。しかし、そういった表向きの情報から、実際はどんな企業なのか知ることはなかなかできません。できれば志望する企業の現役の社員や元社員に直接お話を聞けるのが望ましいですが、なかなか難しいでしょう。転職エージェントでは各企業とのつながりが豊富で、転職した人材も引き続きフォローしていますので、採用担当者や転職した方の『生の声』に近い情報を提供できます」

不満の原因を見極める

笑顔でインタビューに応じる板倉氏
笑顔でインタビューに応じる板倉氏

   「落とし穴」はまだある。板倉氏によれば、「転職理由に『自己成長したい』『キャリアステップをしていきたい』といった、対外的に良さそうに見えることを挙げる方が多いです。しかし、実際によく話を聞いていくと、待遇・人間関係などで職場に『不満』がある方が少なくないのです」。

「特に初めての転職の時ですが、現状への不満から転職を考える際、気をつけなければいけないのは、『いま抱えている不満は、その職場特有のものなのか、それともどこでも起こり得るものなのか』ということです。そこを冷静に見極めないと、次の職場でまた同じことを不満に思う可能性が非常に高い。

そして、不満の原因が自分自身の中にないか?というのも、ぜひ考えていただきたい点です。例えば、よく聞く不満に、『うちの会社は研修の場を提供してくれない。これでは成長できない』というものです。

不満の原因が『自分』に起因している場合があるからです。面談で職場について質問をすると、不満の原因を他人や職場環境にあるという風に話をされる方がいます。『会社が研修の場を提供してくれない』『上司と合わない』といったものです。

たしかに会社の制度や人間関係に問題がある場合もあります。しかし中には、自分が提案・行動して改善することで解決できたケースも少なからずあります。『自分』に不満の原因がある場合、転職しても同じ不満に出会う場合があり、注意が必要です」

「プライド重視」で舞い上がってしまうケース

   失敗しやすいのは「プライド重視」「見栄重視」の転職だ。

「『部長をやっていただきたい』とか『すぐにプロジェクトリーダーにします』とポストを用意され、仕事内容は合わないかもしれないと思いながらも、高く評価されたと良い気分になり、ポストに惹かれて転職を決めてしまうようなパターンですね。

あるいは、有名企業への安易な転職もそうです。自分がやりたいことを度外視し、『家族や友達に自慢できる』と舞い上がってしまい、冷静な判断ができなくなってしまう。入社後すぐにギャップが生じ、2~3年で再び転職することになりかねません」

「職種」転換の落とし穴

   自分に合う仕事を考えた結果、「職種」の転換をしようとする場合もあるだろうが、ここでも自己分析と自己認識ができているかどうかがカギとなる。

「たとえば管理系で長くやってきたものの、『自分はコミュニケーション能力が高く、性格も明るい。営業が合うはずだ』と思ってチャレンジを考えている人。少し立ち止まって考えてください。

確かに、営業は取引先のいろいろな人と会話をしますし、成果を出せば大きなボーナスが出る企業も多いので、魅力的に映るかもしれません。しかし逆に、成果をあげられなかった時の振れ幅も大きいです。営業ならではのストレスや、毎日が競争の連続という厳しさもあります。どちらかといえば手堅く、安定している管理系とは違うところですね。

まず、あなたが管理系の仕事を選んだ理由や、なぜこれまでその仕事を続けてきたのか、どんなスキルを身につけてきたのかを、しっかり振り返ることが大切です。一度、営業系に転職し、やはり肌に合わなかったと言って、数年後に管理系の仕事に戻られた方をこれまでに数多く見てきました」

   こうした話から分かるのは、いかに自己分析が重要か、ということだ。板倉氏は転職の基本を改めて示してくれた。

「転職活動には、いまお話ししたような注意点や落とし穴もありますが、最初にしっかりとした自己分析をしてから臨むことで、転職の成功率は極めて高くなり、本当に希望する仕事と出会えるチャンスが生まれます。私たちSpring転職エージェントは、その自己分析のお手伝いから、独自情報のご提供、マッチする企業のご紹介までさせていただきますので、お役に立てると思います」

Spring転職エージェント

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