2018年 10月 22日 (月)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
大統領演説に「笑い」で異なる見方

印刷
富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で
「我々は全世界から笑いものにされない大統領が必要なのだ」
We need a President who isn't a laughing stock to the entire World. (原文まま)

   2014年8月にツイッターでこうつぶやいたのは、トランプ氏だった。歴代政権を批判し、彼はよくそう口にしてきた。

   だが、2018年9月、ニューヨークで開かれた国連総会でのトランプ氏の演説で、「自らがその対象になった」とばかりに、米マスコミは一斉に、「世界のリーダーたちがトランプ大統領をあざけ笑った」、「トランプは国連総会で笑いものになった」と報道した。

   テレビのトークショーでも格好の話題となり、一般のアメリカ人の関心は、国連での演説の中身よりそのことに向けられた。

  • 国連演説で「笑い」が起きたトランプ大統領
    国連演説で「笑い」が起きたトランプ大統領

「アメリカ人であることが、恥ずかしい」

   私も知人のジェニーから、怒りにも近いこんなメールを受け取った。

「アメリカの大統領が世界の指導者たちにバカにされるのを見たのは、これまでの60年間の人生で初めてよ。大統領はアメリカの誇りであるべき存在でしょう。自分がアメリカ人であることが、恥ずかしいわ。自画自賛して、支持者の集会と勘違いしている」

   国連の象徴ともいえるグローバリズムを否定して、愛国心を強調したのは、中間選挙を意識しているとの声も強い。

   演説中にトランプ氏が、「私の政権は2年弱で米国史上、他のほとんどの政権より多くを成し遂げた」と話すと、会場から軽いざわめきが起きた。

   トランプ氏が「アメリカは...本当に本当ですよ(America is.... So true)」と続けると、笑いが漏れた。同氏は意外そうな、驚いたような表情を見せ、「そういう反応は期待してなかったな。でも、まあ、いいですよ」と苦笑した。すると、会場からどっと笑い声が上がった。

「あれは私が笑いを取ったんだ」

   最も大きな笑いが起きたのは同氏のこの発言に対してであって、笑いとともに拍手もわき起こった。あまりに呆れた時、笑いが起きるものだと主張する人もいるが、いつものよく言えば茶目っ気のあるトランプ節に思わず笑ったという感じで、どちらかといえば和やかな印象を受けた。

   日本のテレビ局でも、「トランプが笑い者になった」と、動画を編集して最後の笑いだけを紹介しているものを見たが、ニュアンスはかなり変わってくる。

   のちにトランプ氏は、こうした報道を「フェイクニュースだ」と非難。「彼らは私を笑ったのではなく、私と一緒に笑った。あれは私が笑いを取ったんだ」と語ると、「反応を予想していなかったと言いながら、笑いを取ったとはどういうことか。また得意のウソか」と批判が強まった。

   しかし、トランプ氏が2度目の笑いについて触れているのであれば、「一緒に笑った」というのは間違いではない。

   逆に会場にいた各国代表のマナーを批判するのは、ミネソタ州に住むアンドリュー(70代)だ。

「一国の代表に対して、最初の反応は失礼極まりないよ。でもそれをトランプは冷静に、じつに品のある大人の対応でかわして楽しい笑いに変えた。演説の内容も焦点が定まり、力強く、素晴らしかった。雇用、株式市場、外交政策、北朝鮮問題と、トランプは精力的に成果を出している。愛国心は当たり前のことだ。あれだけはっきり言いたいことを言えるトランプを、各国の代表はじつは羨ましいと思っているのかもしれない」

   演説の場にいた米国連大使のニッキー・ヘイリー氏は、「会場の笑いはトランプ氏をバカにしているからではなく、彼の正直で外交的でないところがおもしろいと思ったから」と、FOXニュースのインタビューで答えている。(随時掲載)

(随時掲載)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計37万部を超え、2017年12月5日にシリーズ第8弾となる「ニューヨークの魔法のかかり方」が刊行された。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
宝くじ
ハロウィンジャンボ!わくわく新セット販売

欧米発祥のお祭りであるハロウィン(10月31日)は、日本でも仮装を楽しむ人が増え、社会現象にまでなっている。そんな中、1等・前後賞を合わせて5億円が当たる「ハロウィンジャンボ宝くじ」と1等・前後賞を合わせて5千万円が当たる「ハロウィンジャンボミニ」が、2018年10月1日から全国で一斉に発売される。

PR 2018/10/16

ad-kyouryoku-kaidan2.png
秋の夜長に「最恐怪談」はいかが?

この秋、「最恐怪談」が、さらにパワーアップして帰ってきました。赤羽の地に集まったのは、怪談界でも指折りの3人の語り部たち。今宵は、背筋も凍る、このお話からお聞かせしましょう......。

PR 2018/10/9

姉妹サイト
    loading...

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中