2024年 4月 18日 (木)

都心の旗艦店は堅調だが... 三越伊勢丹の「3店閉店」と「これから」

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同一地域に重複店舗

   ただ、店舗の閉鎖がこれで終わるとは誰も思っていまい。今回の発表の席上、地方店の閉店について白井常務執行役員は「今後もありうる」と明言している。業界や不採算店を抱える地域では「次の候補」をめぐり、見方が交錯する。

   まず挙がるのは、新潟三越と新潟伊勢丹が併存する新潟市のように、同一地域に店舗が重複するケース。例えば札幌市は、伊勢丹が地場の丸井今井を救済してグループ化し、札幌三越と競合する。北海道の商圏は一定の規模を擁するが、JR札幌駅に大丸札幌店もあり、競争は厳しい。

   福岡市も伊勢丹が地場の岩田屋を救済してグループ化し、中心部の天神で福岡三越とバッティングしている。札幌と同様、JR博多駅に博多阪急もあり、2店を維持できるか、疑問視する声は多い。

   三越伊勢丹の大都市の店舗は、富裕層に加えインバウンド消費も伸びて、業績は堅調だ。同社の収益を支える伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)、三越日本橋本店(東京都中央区)、三越銀座店(同)の3店で、三越伊勢丹の百貨店事業の売上高の半分程度を稼ぐ。三越伊勢丹は3店の改装に巨費を投じ、それが売り上げを伸ばすという好循環が続き、地方店との社内格差は広がるばかり。「旗艦3店だけにすれば、経営効率の点では最強の百貨店になる」(アナリスト)との声も出る。もちろん、それは現実的ではないが、不採算店の閉鎖を含むリストラがまだ続くのは間違いなさそうだ。

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