2024年 4月 23日 (火)

東京入管が「難民解放を」落書きに反応 ツイートで「少しひどくはないですか」

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   東京入国管理局(東京都港区)のツイートが「炎上」気味だ。入管近くの歩道の落書きを「少しひどくはないですか」と訴える内容なのだが、その非難の対象になっている落書きの内容は「難民を解放せよ」。

   強制退去を命じられた外国人の収容状況に問題も指摘される中のツイートで、「入管は人間への虐待をどうかやめてください」などといった声も相次いでいる。

  • 波紋を広げている東京入国管理局のツイート。タイムラインの一番上に「固定」された状態だ
    波紋を広げている東京入国管理局のツイート。タイムラインの一番上に「固定」された状態だ
  • 波紋を広げている東京入国管理局のツイート。タイムラインの一番上に「固定」された状態だ

収容施設ではハンスト起こった例も

   東京入管のツイッターでは、普段は駐車場や在留申請窓口の混み具合をツイートしているが、2018年11月20日夕に書き込まれたのが

「~落書きは止めましょう~ 11月19日早朝、港南大橋歩道上にて。表現の自由は重要ですが、公共物です。少しひどくはないですか。。。」

という内容。ツイートには、歩道などに落書きされている写真が3枚ついており、落書きは「FREE REFUGEES」(難民を解放しろ)といった内容。このツイートは、新たに書き込みをしても一番上に出てくる状態に「固定」する設定になっている(21日昼現在)。なお、このツイートにある「港南大橋」は、東京入管から歩いて5分程度の場所にある。

   東京入管の直接の管轄ではないものの、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)では、4月に30代のインド人男性が、シャワー室で首にタオルを巻きつけた状態で発見され、のちに死亡が確認された。収容施設から出るための仮放免申請が不許可になった翌日の出来事で、自殺だとみられており、収容者の間では抗議のハンガーストライキも起こった。

「様々な人に迷惑がかかるので、注意喚起の意味で」

   こういった背景がある中でのツイートだっただけに、落書きの内容に対する当てつけなのではいかという見方をする人も多く、800件以上の返信が寄せられた。その多くがツイートに批判的なものだ。さらに、入管の書き込みを批判するツイートを、山本太郎参院議員や、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」記者による「赤旗政治記者」アカウントがリツイート(拡散)したりした。特に「赤旗政治記者」は、毎日「政治記者川柳」なるものを披露しているが、今回の件を念頭に置いたのか、11月21日には「落書きに示す露骨な嫌悪感」という1句もあった。

   東京入管の広報担当者によると、落書きは職員が通勤途中に発見したといい、

「近隣住民や通行する人など、様々な人に迷惑がかかるので、注意喚起の意味でツイートし、固定した」

などと説明。ツイートを固定した状態は当分続けるとしている。

   11月21日には、衆院で外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正案の実質的な審議が始まったばかり。微妙なタイミングでの「炎上劇」となった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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