2018年 12月 10日 (月)

30代の転職を成功させるアピール方法 「経験・実績」が重要なこれだけの理由

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   「35歳限界説」――。転職市場で叫ばれていた、文字通り「35歳を境に転職が著しく困難になる」という定説だ。「未曾有の人手不足」と言われ転職も活発な昨今だが、30代の転職市場にも変化はあるのだろうか。

   急成長中の転職エージェント「Spring転職エージェント」のトップ・板倉啓一郎氏はJ-CASTニュースの取材に、「35歳限界説はなくなっています」と話す。むしろ30代は「即戦力」かつ「幹部候補」として必要とする企業もあるという。この連載第3回では、30代の転職のポイントを紹介する。

アデコ執行役員・人財紹介事業本部長で「Spring転職エージェント」最高責任者の板倉啓一郎氏
アデコ執行役員・人財紹介事業本部長で「Spring転職エージェント」最高責任者の板倉啓一郎氏

「即戦力」かつ「幹部候補」の30代

   Spring転職エージェントは、世界最大の人材サービス会社アデコ(本社・スイス)の日本法人が運営する転職サービスだ。特長は2つある。1つは、業種でなく職種ごとに部門を分けて専門性を高め、他では得られない深い情報を提供する「職種別専門性」の体制を構築していること。もう1つは、担当を企業側と人材側に分けず、すべてのコンサルタントが企業と転職希望者どちらともやり取りする「360度式コンサルティング」という人材紹介手法をとっていることだ。

   今年1月に発表された最新のオリコン「顧客満足度ランキング」転職エージェント部門で、Spring転職エージェントは堂々の1位に輝いた。その立役者となったのが、今回話を聞いた板倉氏。Spring転職エージェントのトップに就任した2014年からの4年で、売上高は約4倍増というめざましい実績を挙げている。

   板倉氏は「転職の一般論として、もう35歳限界説はなくなっています」と迷わず断言、こう説明した。

「若手人材の確保がどんどん難しくなってきているため、これまで若手を置いていたポジションで30代を採用することも増えています。また、若年層は転職のサイクルが早くなってきています。35歳以上の人のほうが、腰を据えて5年10年働いてくれる可能性があるという見方もされるのです。

それだけでなく、会社側は人材確保が難しくなると、できるだけ即戦力を求めるようになります。30代は最もパワフルに働ける年代であり、経験と実績を積んで脂がのっている人も多いです。

即戦力としての活躍が見込めれば、3~5年くらい先の幹部候補として育てたいとも考えます。すぐに成果を出すプレーヤーとしての期待と、将来的に会社を担うマネジャー候補としての期待という両面から、30代の人を採用する企業もあるのです。

もちろん経歴次第ですし、前回もお話ししたように短期間での転職を繰り返していたりするとハードルは上がります。ですが、35歳という年齢の壁はいま、全くないと考えてよいでしょう」

   時代の変化に対応できる人材という点でも、重宝されるのは30代だという。

「時代が変わり、仕事のスタイルも変わっていますし、昔と同じやり方では通用しない業務もあります。たとえばマーケティング部門では、どの企業でも当たり前のようにデジタルマーケティングが導入されています。こうした現代的なツールを扱える人材がほしい企業は多く、そうした手法を経験している30代の人材も求められています。一方、将来的に重要ポストも任せたいと考える会社なら30代後半でも若いくらいでしょう」

経験・実績を「リアルな数字でアピールする」

   では、実際に30代で転職活動をする際、何がポイントになるのか。板倉氏は、20代までと比べて「実績」が重視されることをあげる。

「1つの業界や職種で積んできた経験・実績を重視されますので、これらをリアルな数字でアピールすることが大事です。

『営業の同期の中で2番の成績だった』といったことをアピールしたい時は、母数を示さないといけません。5人中2位と、100人中2位とでは評価が変わります。期間も、1四半期だけだったか1年通期での成績だったかということを、背伸びせずに伝えましょう。説明能力も非常に見られています。

失敗しやすい例としては、自分の能力が発揮できなかった理由を、会社・上司・環境といった周囲に求めることです。あまり多いとネガティブに取られます。

30代であれば会社で一定の経験も積み、それなりに発言権もあるはずですよね。周囲の問題があったとしても、それに対して自分がどのように対応し、解決してきたかという経験を話すべきです」

「積み上げた実績や能力は、他の業界でも応用できる」

30代特有の転職のポイントについて語った
30代特有の転職のポイントについて語った

   30代は「実績・経験重視」。そうなると、「異業種」にチャレンジしたいと思っても、実績がないためアピールするのが難しいのではないかとも思える。だが板倉氏は「違う業界への転職でも、実績でアピールする方法はあります」と話す。

「業界が違っても、『こういうやり方で企画を成功させた』『こういう工夫をして営業で一番になれた』といったことを説明できれば、評価する企業は多いです。

人事担当者もこれまでに色々な人材を見てきています。多様な業界で色々な実績・経験のある人が、自社に入ってからどのような活躍を見せているか。それについて分析している会社も多いでしょう。ですから転職希望者は堂々と誠実に説明すれば、業界が違っても評価してもらえます。我々転職エージェントも、異業種に転職する場合のアピールの仕方についてのアドバイスもしています」

   「実績重視」と言っても、「受けようとする会社の事業内容・職種に対して、自分の経験・実績が完全に一致していなくてもいい。積み上げた実績や能力は、他の業種・業界でも応用できる」と板倉氏は言う。

「マネジメントであれば、何人のチームで、就任時に比べてどれだけ成績がアップしたか、具体的に数字で説明することが必要です。また、マネジメントの仕方が会社にマッチするかを見られることもあります。自分が先頭に立って引っ張ってきたとか、部下が自発的に動くようモチベーションを上げる工夫をしてきたとか、自分の『スタイル』が説明できるようにしておくといいでしょう。

しかし30代であれば、過去のスタイルにとらわれず新しいスタイルを取り入れることもまだ可能です。『今までこうしてきたが、もっとこういう要素を取り入れたい』といった反省点を示すと、受ける企業からは成長する可能性があると見てもらえるでしょう。ただ、それでも30代に対する評価軸としては『実績7割・ポテンシャル3割』という現実は忘れてはいけません」

「プロフェッショナルを目指し、30代のうちに自分の強みを磨くべき」

   一方、気を付けたい点もある。30代になると役職につきたいと考えることもあるだろう。これが、冷静な判断をできなくしてしまいかねない。

「『ディレクターとして採用します』『支店長になっていただきます』といった言葉をかけられると魅力的に映りがちです。『自分にできるかな?』と思いつつも舞い上がってしまうんですね。ですが、待遇だけで飛びついてしまうと長く続かなかったり、自分が思っていた力量と本来の力量との間のギャップが生じたりして、2~3年でまた転職することになる人もいます。

確かに役職についたら、家族や知り合いにも鼻が高いでしょう。しかし、そうした見栄やプライドは一旦置いておかないと失敗する可能性が高いです。大事なのは、まず自己分析をした上で、自分に合っている仕事かどうかを考えることです」

   30代後半になると、「自分が今の会社で出世できるのはここまで」という限界も徐々に見えてくる。必ずしも1つの会社で思った通りのキャリアを歩めるわけではない。板倉氏は「私がアドバイスしたいのは、他の場所でも活躍できるよう、プロフェッショナルを目指し、30代のうちに自分の強みを磨いておこうということです」と話す。

「合わない部署に配属されてしまった場合などは、そこで能力を磨くモチベーションがついていかないでしょう。ずっと我慢して仕事を続けていくのは難しいものです。

その時、社内で希望を出しても異動できなかったら、転職という選択肢を考えてみるのもいいと思います。『この仕事でプロフェッショナルになろう』と思える道を探すことができるかもしれません。私たちSpring転職エージェントは様々な転職者の話を聞いてきましたし、成功事例も数多くご紹介できます。転職やキャリアアップについてご相談していただければ、全力でサポートさせていただきます」

*Spring転職エージェントの詳しい情報、自己分析の基本などはこちらの記事でも紹介
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*若年層の転職のポイントはこちらで紹介
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Spring転職エージェントのウェブサイトはこちら

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