2019年 10月 16日 (水)

昭文社とゼンリン、分かれた明暗 地図大手2社の「差」とは

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   全国各地の道路地図「スーパーマップル」や、ガイドブックの「まっぷる」などで知られる昭文社(東京都千代田区)が2018年12月13日、19年3月期の業績予想を下方修正し、希望退職を募ると発表した。

   業績悪化の理由は「長期化する出版不況や無料ナビアプリ」。同じ「地図大手」でも、ゼンリン(北九州市)は、上期(4~9月)としては過去最高の売上高を記録したばかりで、明暗が分かれている。

  • 希望退職と業績の下方修正を発表した昭文社
    希望退職と業績の下方修正を発表した昭文社

グループ全体の2割近くを削減

   昭文社は18年7月13日に発表していた従来予想では、売上高を99億1000万円としていたが、これを93億4000万円に引き下げる。9000万円だった営業利益は3億500万円の赤字に転落。1億5000万円の黒字予想だった経常利益も、2億2400万円の赤字になる見通し。売上高減少の理由として、(1)出版物の売り上げの減少(2)無料ナビアプリの影響によるPND(持ち運び型のナビゲーション端末)の販売減少(3)予定されていた広告などの売り上げの見込みが立たなくなった、ことなどを挙げた。

   19年2月1日から28日にかけて、グループ会社を含めて45歳以上の人80人程度を募る。退職日は3月31日。退職金以外にも特別加算金を支払い、再就職支援を行う。18年3月31日時点で、従業員数は連結ベースで447人。グループ全体の18%程度を減らす計算だ。

   一方のゼンリンは、18年10月29日に発表した19年3月期の中間決算で、売上高は前年同期比8.3%増の281億6800万円で、上期としては過去最高を記録。営業利益は同57.0%増の7億3800万円、経常利益は同34.8%増の9億7700万円だった。企業や官庁向けの住宅地図データの配信や、カーナビ用データの販売が伸びた。

   特に、カーナビ用データや自動運転車向けのデータ販売を担当する「オートモーティブ事業」は、売り上げを10%以上伸ばしている。カーナビの売り上げに直結する新車販売台数はほぼ横ばいだ。ただ、ゼンリンでは、同社の地図が収録されているカーナビの機種がシェア争いで優勢になり、売り上げ増につながったとみている。ゼンリンは「地図データベース関連事業」が売り上げの8割以上を占めており、19年3月期の通期決算でも増収増益を見込んでいる。

販売実績の6割が出版物

   昭文社の18年3月期の決算短信によると、グループ全体の販売実績は91億5800万円で、そのうち53億3700万円を「市販出版物」が占める(そのうち、「地図」が17億8700万円、「雑誌」が28億400万円、「ガイドブック」が6億6600万円、実用書が1億1300万円)「電子売り上げ」は23億1900万円。6割近くを出版物に依存する構造だ。グーグルマップなどの無料アプリの普及で、紙の地図は減り、電子地図も競合に競り負けた形だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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