2019年 10月 15日 (火)

テレビCMが「替え歌」ばかりに! 背景にはスマホの普及も

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   このところ、よくテレビから「懐かしいメロディ」が聞こえてくる。

   「♪教えて~ お爺~さん! ♪教えて~ お爺~さん!!」の「家庭教師のトライ」は、もうすっかりお馴染みとなったが、秋からはdocomo(NTTドコモ)の「一休さん」もスタート。ここ数年でリバイバルアニメCMが増えてきているのは、一体、何故なのだろうか?

  • 「家庭教師のトライ」でお馴染みの「ハイジ」のCM
    「家庭教師のトライ」でお馴染みの「ハイジ」のCM
  • 「家庭教師のトライ」で登場する、左からゼーゼマンとオンジ
    「家庭教師のトライ」で登場する、左からゼーゼマンとオンジ

「教えて!トライさん」シリーズは、現在まで約80パターンを制作

   まず「リバイバルアニメCM」の先駆者である「家庭教師のトライ」に聞いてみた。

   すると、広報部から、

「シリーズは2012年より開始。当初より『アルプスの少女ハイジ』を起用し、現在まで約80のパターンを制作しております」

   そうだったのか! テレビで頻繁に流れているため、あまり気にしていなかったが、足掛け7年もやっていたとは...まったく知らなかった。

   しかし「ハイジ」といえば、1970年代のアニメ。私、40代の男性記者も、確か、幼稚園時代に見た記憶があるかどうか...ほどの古き良きアニメだ。何故、今、「ハイジ」なのか?

「『ハイジ』を起用した理由は、大自然の中で、『アルムおんじ(お爺さん)』に多くのことを教わりながら成長していくという点で、教育との親和性が非常に高いことから起用しました」

と、広報担当者は話す。

   また、

「『トライ』をご利用いただくお子さまは、小学校低学年から高校生までと幅広く、その親御さま達の世代である30~50代を全て網羅している大変人気の高いアニメであることも理由の一つです。起用した当時、アルプスの少女ハイジは『親が子供に見せたいアニメランキングNo.1』でした」

ということだった。

   さらに続けて、

「オンエア時期の、お客さまから実際に寄せられるご相談の声を踏まえ、CMづくりを行っています。そのため、ご覧になった親御さま、お子さまが共感しやすいCMになっていると思います。
CMを作る上でこだわったのは、もともとのTVアニメの原画に『トライさん』というオリジナルキャラクターを書き加えた点です。『トライさん』の作画については、企画を立案した時から、ハイジにこんなキャラクターっていた?という違和感がインパクトになると考えていました。
『ハイジ』の絵の世界観に馴染み過ぎてもおかしいし、逆に行き過ぎてもおかしいため、そのさじ加減がとても難しかったです。ただ、そこがテーマだったため、非常に時間をかけて作画を行いました。因みに『ハイジ』の声は、実際の声優さんを起用しています。その点もリアリティーにつながっているのだと思います」

トレンド分析「CM総合研究所」の見解は...

   バブル期の1980年代には、俳優・時任三郎さんの「♪24時間、戦~えますか?」(リゲイン=第一三共ヘルスケア)」、2000年代には「♪た~らこ~ た~らこ~」(キユーピー)といった、オリジナルソングをモチーフとしたCMも登場した。そこから一大ムーブメントが起こり、逆にCD化、グッズ化された経緯もあった。

   ところが近年は、トライの「ハイジ」にとどまらず、docomo「一休さん」シリーズや、UQモバイル「UFO(ピンクレディー)」、Y!mobile(ワイモバイル)「YMCA(故・西城秀樹さん)」等々...。近年はCMの「温故知新化」が加速しているように感じる。

   そこで、J-CASTニュース編集部では、CMトレンドなどを分析する「CM総合研究所」(以下、CM総研)に取材を試みた。

「そうですよね。確かに、そういった傾向が見られます。これは現代、スマホ等で『ながら視聴』をする人々が増えていることが一因かと思います。そんな中で『誰しもが知っているコンテンツを使用する』というのは、(視聴者に)振り向いてもらうために有効な手段の1つだと考えています」

   なるほど~。「目に訴える」のではなく「耳に訴える」ことで、ユーザーの脳裏に残りやすい懐メロを使用している...ということのようだ。

   なかには「ネタかぶり」も。「Indeed(インディード)」のCMでは、さまざまな人物に扮した斎藤工さんと泉里香さんが『幸せなら手をたたこう』のメロディーで「♪仕事探しはIndeed」などと繰り返し歌っているが、「WOWOW」もまた「♪フフフフーンに入ろっかな」という同曲の替え歌をモチーフに展開した。

   さらに「LINEモバイル」では、本田翼さんが「いい湯だな」の音楽でサービスを訴求し、ダンスを踊るCMを展開。4年連続CM好感度ナンバーワンに輝いた「au」の「三太郎シリーズ」は日本人なら誰もが知る昔話が題材だ。

   CM総研担当者は、

「このように昨今では、昔流行った楽曲(ヒットソング)や昔話などが、CMに使用されているのが目立つ。これらCMは、CM総研が毎月『消費者3000人に行っているCM好感度調査』においても高い支持を獲得しています」

と話す。

   過去好評だったCMそのもののリバイバルもある。「スタッフサービス」では、1997年のCMで使用した「弦楽セレナーデ第一楽章」のBGMや、電話番号の語呂を合わせて使った「上司に恵まれなかったら、オー人事オー人事」といったナレーションをリバイバルし、さまざまな職場でのミスマッチに困り果てる人々をコミカルに描いている。

「仕掛け」や「サプライズ」があるコンテンツが勝ち残る

   CM総研担当者は、さらに続けて、

「情報過多による情報消費スピードの加速は、今後さらに激化していくでしょうね。そういった環境の中で、テレビCMも『繰り返し話題化される仕掛けやサプライズがあるコンテンツ』が勝ち残り、そうでないものは埋没していくことが既に起こり始めているのでは」

と締めくくった。

   かつてのように家族がお茶の間でテレビを囲む時代とは違い、画面に正対していない視聴者に向けて耳からの「情報=音楽の力」はますます重要なアテンションとなっていくとなっていくのかもしれない。

   誰もが慣れ親しんでいる楽曲を、「替え歌」や「ダンス」などを用いてアレンジするCMが増えているのは、そういった時代背景の表れと言えそうだ。

   上手に情報を発信し消費者を楽しませられるブランドは、これからどんどん強くなっていくだろう。様々な「メディア」や「ツール」と組み合わせることで、テレビだけでは作れなかった大きなムーブメントを起こせる時代が来ているのかもしれない。

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