2019年 2月 16日 (土)

習近平、面従腹背を許さず 「ゆかりの地」陝西省元トップに鉄槌

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   中国国内では年明けから、新たな権力闘争を予感させる動きが起こっている。2019年1月15日、共産党中央指導部は西北部・陝西省のトップを2012年から4年間務めた趙正永・前同省共産党委員会書記を「重大な規律違反の疑いで取り調べている」と発表した。陝西省の多数の党・政府の高官も処罰されているようだ。国立公園内に違法に建てられた多くの高級別荘が事の発端とされる。

  • 取り壊される秦嶺国立公園の高級別荘=中国中央テレビから
    取り壊される秦嶺国立公園の高級別荘=中国中央テレビから

木で鼻をくくったような......

   発表に先立つ1月10日ごろ、中国・中央テレビの前触れ報道が始まった。同省の省都・西安市の秦嶺国立公園に多くの別荘が建設されたが、現在はすべて取り壊された――。秦嶺は国の環境保護区域にあり、元々住んでいた農民の住宅以外、マンションや別荘を建てることは固く禁じられている。西安からわずか100キロ、高速道路なら車で1時間の距離にありながら、美しい風景を誇るこの地域の環境は、こうした管理がなければ確かに損なわれてしまう。

   習近平総書記にとって陝西省はゆかりの地。文化大革命時代にそこに下放された経験があり、そもそも父・習仲勲の出身地だ。その省都近くに違法に建てられた高級別荘には、2014年から注目していたようだ。この年5月、習氏は「環境保護のため」、秦嶺の別荘を取り締まるよう指示。だが、省の党委員会は「秦嶺には202棟の別荘が建っているが、主に農民が勝手に建てたもの」という調査結果を出した。習氏は同年、もう一度取り締まりを発出。だが、省の党委員会は「別荘の問題は既に解決済みだ」という木で鼻をくくったようなコメントをメディアで発表するのみだった。

   2017年5月、習氏は中央政治局の集団学習の場で、秦嶺の別荘問題をとりあげ、語った。「急がねば、またしっかり取り締まらなければ環境破壊の問題は絶え間なく起こり、中国の生態系悪化の趨勢を根本から転換することは難しくなる」。さらに昨年7月にも、習氏は秦嶺の別荘問題をとりあげた。

   中央テレビの最新報道によれば、取材チームが調べた限り、秦嶺国立公園には全部で1194棟の別荘が建てられ、習氏が最初の指示を出した2014年以来、その数は増え続けている深刻な状況だという。テレビ報道の後、習氏が何を語ったかはまだ分からない。ただ陝西省と西安市の幹部ら数十人が罷免または処分され、ほとんどすべての別荘はただちに取り壊されているという。

業を煮やしたように

   報道内容は極めて細かいものの、別荘を建てた人物や購入者の姓名、さらに罷免されたり処分されたりした高級官僚の中に、自らの別荘を建てた者がいるかどうかはつまびらかにしていない。

   この問題で、習氏は当初、「環境保護のために取り締まれ」と指示していた。だが昨年7月に業を煮やしたように、いささか怒気混じりにこう語った。「まず政治規律の点から取り締まり、面従腹背を許すな」

   中央テレビの報道でも、「政治の決まり」が強調されている。共産党総書記の指示を聞くことなく、党規約に違反した者たちが処分されたというわけだ。では、なぜ、趙・前陝西省党書記らは習氏に、面従腹背の動きを続けたのか。それが今後の見どころである。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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