2024年 4月 20日 (土)

ゆうちょ「限度額倍増」評判が悪い理由 反対意見を押し切ったのは...

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ゆうちょ銀にとっては「重荷」の側面

   これに対し、金融庁や銀行界は反発。ゆうちょ銀の民営化が進まず、政府の後ろ盾を持ったままでは、民間の預金が貯金へ移る資金シフトが起き、「地域の金融システムに多大な悪影響を及ぼす恐れがある」というのが反対理由で、いわゆる民業圧迫論だ。

   金融庁はゆうちょ銀の経営へのマイナスも懸念した。貯金が集まっても超低金利の下では「日銀の当座預金に預ける以外に手がない」(麻生太郎金融相)とあって、むしろ経営上の重荷になりかねないという心配だ。

   水面下の折衝は難航した。10月の郵政族議員幹部の会合に呼びつけられた金融庁幹部が強く限度額引き上げを求めたというが、金融庁は反対姿勢を崩さず、こう着状態が続いた。11月下旬から事態はようやく動き始め、民営化委の岩田一政委員長(元日銀副総裁)と総務省、金融庁幹部らの協議で、岩田委員長が利便性の観点から限度額引き上げを訴え、金融庁に対案を示すよう要望。これを受け、金融庁は300万円増の1600万円という案をまとめた。「3年以内に日本郵政のゆうちょ銀株保有比率を3分の2まで落とす」「貯金獲得の報奨金(インセンティブ)をなくす」という条件も付けた。

   その後の折衝で、最終的に限度額は計2600万円で決着。金融庁が出した条件も、インセンティブをなくすことになったものの、ゆうちょ銀株売却は「将来的」課題とされ、実質的に無視された。

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