2024年 4月 26日 (金)

高橋大輔「特別審査員」騒ぎの奇妙な顛末 社交ダンス大会の舞台裏で何が起きたのか

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   バンクーバー五輪フィギュアスケート銅メダリストの高橋大輔さんが社交ダンス大会の「特別審査員」を務める――という内容の広告がダンス専門誌に掲載された。だが、これが「誤り」だったとして大会主催団体や雑誌社が謝罪した。

   先立って高橋さんのマネジメント会社が、高橋さんが審査員であるとする内容は「事実無根」であり、高橋さんの名前が「無断」で使われた、とする注意文を公式サイトに掲載。波紋が広がっていた。

  • 高橋大輔さんの公式サイトに、「特別審査員」をめぐる注意文が掲載された
    高橋大輔さんの公式サイトに、「特別審査員」をめぐる注意文が掲載された
  • 『月刊ダンスビュウ』3月号に掲載された公益財団法人日本ボールルームダンス連盟主催の「2019スーパージャパンカップダンス」についての広告ページ。黄色い吹き出しで「特別審査員」に「高橋大輔」と記載がある
    『月刊ダンスビュウ』3月号に掲載された公益財団法人日本ボールルームダンス連盟主催の「2019スーパージャパンカップダンス」についての広告ページ。黄色い吹き出しで「特別審査員」に「高橋大輔」と記載がある
  • 高橋大輔さんの公式サイトに、「特別審査員」をめぐる注意文が掲載された
  • 『月刊ダンスビュウ』3月号に掲載された公益財団法人日本ボールルームダンス連盟主催の「2019スーパージャパンカップダンス」についての広告ページ。黄色い吹き出しで「特別審査員」に「高橋大輔」と記載がある

「ご本人の都合により来られないため辞退されました」

   事の発端は2019年1月26日発売の『月刊ダンスビュウ』3月号に掲載された、社交ダンス大会「2019スーパージャパンカップダンス」の1ページ広告。ここに、

「特別審査員に和泉元彌、湖月わたる、高橋大輔が決定!」

と強調して書かれているのが分かる。

   同大会は公益財団法人日本ボールルームダンス連盟(JBDF)(東京都中央区)の主催で、3月2~3日に幕張メッセ(千葉市)で開催される大規模なものだ。チケット代は高価な席で2万2000円する。

   広告は誌面にのみ載っていたが、発売前の1月24日、同誌の版元であるモダン出版(東京都文京区)が公式サイトやツイッターで、次のように訂正すると発表(現在は削除)。多くの人の目に届くことになった。

「特別審査員に高橋大輔さんが予定されていましたが、ご本人の都合により来られないため辞退されました。高橋大輔さんの来場はありません。誌面の訂正が間に合いませんでしたので、ここで訂正いたします」

「選手の信頼性を著しく傷つける行為」

   すると、高橋さんのマネジメント会社ユニバーサルスポーツマーケティング(東京都港区)が1月29日、高橋さんの公式サイトに注意文を掲載した。「高橋が『2019スーパージャパンカップ』の特別審査員をお受けし本人の都合により辞退した、との発表がございました」とした上で、

「しかしながら、当該サイトにて発表されたような高橋大輔が審査員をお引き受けしたという事実はなく、そのため審査員を辞退したという事実もございません。当該サイトに記載されております内容は事実無根であり、高橋大輔の名称の記載は無断で行われているものです」

と、特別審査員の「辞退」だけでなく、そもそも「引き受けた」こと自体を否定した。

   注意文によると、大会事務局から特別審査員の依頼はあったものの返事をしていないといい、その状態でこうした発表がなされたことには「選手の信頼性を著しく傷つける行為でありマネジメント会社として断じて許すことはできません」と不快感をあらわにしている。

   この主張が事実であれば、高橋さん側としては名前が無断で利用された上、引き受けてもいない特別審査員を自己都合で辞退した、と発信された形になる。

「高橋大輔氏に関する誤った情報を発信し...」

   大会主催のJBDFは1月29日、公式サイトに、

「この度、高橋大輔氏に関する誤った情報を発信し、高橋大輔氏、ファンの皆様およびご関係の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしました。誠に申し訳ございませんでした」

と謝罪文を掲載。だが、「誤った情報」について具体的な内容は書かれていない。

   モダン出版は1月30日、JBDFから同社宛てに訂正・お詫びの文書が届いたとして公式サイトに掲載。石原久嗣・JBDF専務理事名義で、

「高橋大輔氏が、当法人主催の2019スーパーカップダンスの特別審査員に決定したという誤った情報をお伝えし、御社並びに高橋大輔氏、ファンの皆様、ご関係の皆様に多大なるご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございませんでした」

と書かれている。また、同社自身も翌31日に謝罪文を出した。

なぜ「高橋さんが特別審査員に決定」と書いたのか

   モダン出版の担当者は1月31日、J-CASTニュースの取材に、「高橋さんの事務所には弊社からお詫びのファクスを送付させていただきました」と話す。また「次号にJBDFから訂正とお詫びの記事が出ます」と明かした。ただ、広告は大会主催団体で広告主のJBDFから受け取ったものをそのまま誌面に掲載しており、高橋さんが特別審査員に決定した旨が記載された経緯は「弊社では分からない」という。

   ユニバーサルスポーツマーケティングは1月31日、「(取材時点で)モダン出版、あるいはJBDFから、高橋大輔さんや貴社に対し謝罪など直接の連絡はあったか?」という質問に対し、「本件につきましては、モダン出版株式会社様より当社にご連絡を頂き、円満に解決しております」と回答。JBDFからの謝罪連絡の有無について2月5日に再度尋ねると、「ご連絡を頂き当方と致しましては解決しております」とのことだった。

   では、どのような経緯で高橋さんが特別審査員に決定したと広告に掲載したのか。J-CASTニュースはJBDFに(1)なぜ今回の内容の広告を作ったのか(2)高橋さんの出席を理由にチケットを購入したファンがいた場合、払い戻しなどの対応をするか――などについて1月31日に取材を申し込んだが、2月4日「ご依頼の件、ご回答を控えさせて頂くことになりました」と返事があり、回答はなかった。

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