2019年 10月 24日 (木)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち ベツレヘムの「壁」とメキシコの「壁」

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   2018年から19年にかけての年末年始に、初めてイスラエルを旅した。今回も番外編「イスラエルで見聞きした『トランプのアメリカ』」を伝える。

   前回の記事「エルサレムの米大使館を見に行く」で、米大使館に向かうバスの中で出会ったユダヤ人女性は、私を娘の家に連れていった。

   娘夫婦を交えて話していた時、イエス・キリストの生誕地として知られるベツレヘムの話になると、3人は口をそろえて、「ベツレヘムになんて怖くて行けない。私たちがユダヤ人だとわかれば、殺される」と言った。

  • 実際の監視塔を抱きしめる、トランプ大統領のグラフィティが描かれている分離壁
    実際の監視塔を抱きしめる、トランプ大統領のグラフィティが描かれている分離壁

「ユダヤ人とわかれば、殺される」

   バスで出会った女性はベツレヘムへ行ったことがあるが、その時はユダヤ人であることがわからないように、ポーランド政府発行のパスポートを使ったという。

   ベツレヘムは、ヨルダン川西岸地区の南部、パレスチナ自治区にある。西岸地区は、1948年の第1次中東戦争後にヨルダンに占領され、その後、1967年の第3次中東戦争でイスラエルに占領された。今もほとんどの土地はイスラエルに統治され、統治者によって3地区に分けられている。パレスチナ政府が実権を握るA地区は、全体の2割にも満たず、ベツレヘムや、パレスチナ自治政府の事実上の首都ラマッラなどが含まれる。

   その周辺のハイウエイや検問所には、「この道路はパレスチナが実権を握る"A地区"に通じる。イスラエル市民の立ち入りは禁止。生命の危険あり、イスラエルの法律に違反する」と書かれた看板が立っている。

   ベツレヘムはエルサレムの南10kmの距離にあり、高さ8mの厚い壁によって隔てられている。この分離壁は2002年にイスラエル政府が、ヨルダン川西岸地区との境界に、「テロ防止のため」に作り始めたものだ。イスラエルのユダヤ人がもうほとんど見ることのない壁の向こうには、いったいどんな世界があるのか。

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