2019年 12月 6日 (金)

池袋暴走「元院長」、送検されたら「容疑者」に? 各社報道から読み解く「呼称の行方」

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   東京・池袋で車が暴走して母子2人が死亡した事故で、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)が事故現場に立ち会い、警視庁による実況見分が行われた。一部メディアは「容疑者」呼称で報じたが、「元院長」とした社が多かった。逮捕はされておらず、任意での捜査が続いている。

   事故後には「逮捕されないのは元幹部官僚だからか」「なぜメディアは容疑者と表記しないのか」などと注目を集め、「上級国民」という言葉も話題となった。今回の実況見分を受け、「飯塚元院長を書類送検へ」(産経ニュース)との報道も出ているが、送検された後はメディアは「元院長」の呼称を「容疑者」に変更するのだろうか。

  • 事故現場には多くの人が訪れ、被害者を悼んでいた(2019年4月23日撮影)
    事故現場には多くの人が訪れ、被害者を悼んでいた(2019年4月23日撮影)

読売は「容疑者」、NHKは「元職員」

   実況見分は2019年6月13日にあった。「飯塚幸三・元院長」の呼称で報じたメディア(ウェブ版)が多かった。主要メディアで異なる呼称表記を確認すると、読売新聞の「(略)の元院長・飯塚幸三容疑者」、NHKの「旧通産省の幹部だった飯塚幸三元職員」が見つかる程度だった。

   読売新聞は以前から「容疑者」呼称に変えており、警視庁が事情聴取をしていたことを報じた記事(5月17日)をみると、既に今回と同じ表記になっている。当初は「元院長」呼称を使っていた。「容疑者」呼称に変更する前の5月10日、「容疑者でなく元院長、加害者の呼び方決めた理由」との記事で、読売が「元院長」呼称で報じている立場を説明していた。

   記事によると、辞書(広辞苑)では「犯罪の容疑を持たれている人」と広く定義しているが、「ただ、新聞が容疑者と呼ぶのは、原則として、逮捕や指名手配、書類送検をされる等、刑事責任を問われた人の法的な立場をはっきりさせる目的があります」と、辞書的定義よりも限定的に用いている状況を説明。さらに「容疑者と名指しするからには、容疑の内容をきちんと読者に提示する責任が生じます」と指摘した。

   そして当該事故については、「(元院長は)逮捕や書類送検はされていません。事故後、元院長は入院したため、警察はきちんと説明を聞くこともできなかったようです」「つまり、『容疑者』の法的立場にはまだないこと、本人の正式な弁明もなく容疑の内容をきちんと提示できるには至っていないこと、これが容疑者を使用しない理由でした」とまとめている。

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