2019年 8月 21日 (水)

公的な「スクハラ相談窓口」は、なぜ必要か 教員の暴言に傷ついた19歳が、署名活動に立ち上がるまで

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   東京都世田谷区の私立中高一貫校に通っていた中学2年当時、担任教諭から「お前は離婚家庭の子どもだからダメなんだ」と言われるなどして、不登校になったと訴える大学生が2019年7月16日、都内で記者会見を開き、国などにスクールハラスメントの公的な相談窓口設置を求めた。

   会見を開いたのは、早稲田大学教育学部2年の佐藤悠司さん(19)。相談窓口設置を求める署名活動をChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)で始め、1カ月後の締め切りを予定する。

  • 会見を開いた佐藤さん
    会見を開いた佐藤さん

「学校に来い、学校に来い、学校に来い」

   中学2年当時、佐藤さんは陸上部に所属、担任教諭は美術部の顧問を務めており、佐藤さんは美術部にも所属していた。次第に陸上部に居づらさを感じるようになり、部活に行けなくなった。中学2年の1月、この担任の教諭から「陸上部に顔を出したらいい」と勧められた。陸上部に負い目を感じて行ったが、既に退部扱いにされている旨を伝えられた。次の大会があると聞かされ観戦に行ったが、風邪を引き学校を休んだ。

   母親は、退部扱いとなってショックを受けた佐藤さんが不登校になってしまったと勘違いをし、担任教諭に説明を求めた。担任は「ぼくに任せてください」と母親に電話で伝え、その後佐藤さんの携帯電話にかけ、「学校に来い、学校に来い、学校に来い」と言ってきた。佐藤さんは、「担任の口調は尋常ではなかった」と振り返る。

   体調が回復し、学校に行ったが、佐藤さんは担任への不信感を感じていた。担任の教師と話をし、電話でのしゃべり口調が尋常ではなかったことに恐怖を抱いたことから、「美術部をやめさせてください」と伝えたが、突然、担任の教師は怒りだし、長時間にわたっていかに人間としてだめなのかを言い続けられた。

「その中で特にぼくの心を深く傷つけた一言が、『離婚家庭の子どもだからお前はダメなんだ』でありました。言われた言葉はこれ一つではありません。でも一番傷つけた一言であります」(佐藤さん)

   先生に会いたくないと思うようになり、学校の近くに行くだけで腹痛が起こるようになった。不登校、引きこもりと言われる状態にもなった。睡眠障害にもなり、5年たった現在も治療を続けているという。

   家族からの抗議を受け、学校側は一定の謝罪をした。ところが佐藤さんによると、「ハラスメントの事実を公表することを求めたが、校長は拒否した」という。

   佐藤さんは、「教員によるハラスメントに遭った際、被害を相談し、指導してくれる実効性を持った公的な窓口がないことを痛感しました」と主張。大津市で発生した中学生のいじめ自殺を機に2013年制定された「いじめ防止対策推進法」にも言及し、「生徒間のいじめにおいては枠組みがつくられつつあるが、教員からのハラスメントは想定されていないのではないか」と疑問を投げかける。

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