2019年 8月 19日 (月)

京アニを「麻薬の売人以下」呼ばわりの大芸大教授コラム 削除→再掲載→削除・謝罪のドタバタさらす

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   多数の死傷者が出たアニメ制作会社「京都アニメーション」放火事件を受けて大学教授がウェブメディア「インサイトナウ」に寄せたコラム記事をめぐり、同サイトを運営する南青山インサイト(本社・東京都港区)がトップページに謝罪文を掲載した。

   同記事では京アニを「麻薬の売人以下」、同社作品の一部ファンを「個人の人生が空っぽな者」などとそれぞれ記述し、インターネット上で物議を醸していた。記事は一度削除され、その後大幅に内容を短縮した上で再公開されたが、その記事も削除されるに至っている。

  • 「インサイトナウ」に当初掲載されていた記事(削除済み)
    「インサイトナウ」に当初掲載されていた記事(削除済み)
  • 「インサイトナウ」トップに掲載された謝罪文
    「インサイトナウ」トップに掲載された謝罪文

「偽の夢を売って弱者や敗者を精神的に搾取」

   問題の記事は「インサイトナウ」に2019年7月21日付で掲載された純丘曜彰(すみおか・てるあき)大阪芸術大学教授のコラム。「終わりなき日常の終わり:京アニ放火事件の土壌」とのタイトルで、18日に起きた事件に独自の論考を加えている。

   記事では、京アニ作品に多い「学園物」ジャンルがヒットしたのは、中学・高校生活が大半の人にとっての「共通体験」だからだと指摘。ただその上で、「学園物は、この中高の共通体験以上の自分の個人の人生が空っぽな者、いや、イジメや引きこもりで中高の一般的な共通体験さえも持つことができなかった者が、精神的に中高時代に留まり続けるよすがとなってしまっていた」などと作品ファンの心理をネガティブに推測している。

   さらに「終わりの無い学園物のアニメにうつつを抜かしている間に、同級生は進学し、就職し、結婚し、子供を作り、人生を前に進めていく」「こういう連中に残された最後の希望は、自分も永遠の夢の学園祭の準備の中に飛び込んで、その仲間になることだけ」として、「人生がうまくいかなかった連中は、その一発逆転を狙う。だが、彼らはあまりに長く、ありもしないふわふわした夢を見させられ過ぎた。だから、一発逆転も、また別の夢。かならず失敗する。そして、最後には逆恨み、逆切れ、周囲を道連れにした自殺テロ」と京アニ作品ファンと放火事件を独自の論理で結びつけた。

   その上で京アニについて「いくらファンが付き、いくら経営が安定するとしても、偽の夢を売って弱者や敗者を精神的に搾取し続け、自分たち自身もまたその夢の中毒に染まるなどというのは、麻薬の売人以下だ」と中傷。「まずは業界全体、作り手たち自身がいいかげん夢から覚め、ガキの学園祭の前日のような粗製濫造、間に合わせの自転車操業と決別し、しっかりと現実にツメを立てて、夢の終わりの大人の物語を示すこそが、同じ悲劇を繰り返さず、すべてを供養することになると思う」と一方的に方向転換を促して締めくくった。

「記事表現の管理とその後の対応に関して行き届かなかった」

   だがこうした記事の内容をめぐってはツイッター上で、

「趣旨も理解できないし必要な提言と思える部分も全くありません」
「事件にかこつけてこの人物がかねがね思っていた事をぶちまけたように思える」
「学園物アニメのファン全員が『人生の敗北者』と決めつけるなかなかの豪快な内容でした」

などと批判が殺到することになった。

   すると24日、同記事は削除。ほどなくして同じURLのページに再び純丘氏のコラムが掲載されたが、タイトルは「終わりなき日常の終わり」のみに変わり、本文も大幅に書き換えられている。京アニ作品やそのファンを中傷するような内容はなくなったほか、結論部分も「あれだけの惨事を目の前にしながら、よりタイトな状況で規定の製作スケジュールをこなすのは無理だ。休もう。番組も、映画も、穴を開けて休もう。業界全社、いったん立ち止まって、仕事や待遇、業界のあり方、物語の方向性、ファンとの関係を見直し、あらためて大人になる物語を示すこそが、同じ悲劇を繰り返さない一歩になると思う」(原文ママ)とどこか支離滅裂な締め方になっている。また、末尾に「この記事は、大阪芸術大学の意見・見解を代表・代弁するものではありません」という一節が明記された。

   J-CASTニュースは25日、同記事が公開・削除・再公開された一連の経緯や意図などについて、掲載サイト「インサイトナウ」を運営する南青山インサイト(本社・東京都港区)に質問したが、「確認する」として明確な返事がなかった。

   ところがその後25日夕までに、再公開した上記記事も削除された。「インサイトナウ」トップページには以下の謝罪文が掲載されている。

「今回一部の記事に不適切な表現があったことをお詫びいたします。運営事務局として、記事表現の管理とその後の対応に関して行き届かなかったことを重ねてお詫び申し上げ、改善を図ってまいります」

   同社に再度、このお詫び文掲載の理由や詳細を含めて問い合わせたが、「サイトトップに掲載した以上のことは言えない」とのことだった。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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