2019年 8月 25日 (日)

産経コラムに「デマ」「根拠ない」 韓国メディアを憤激させた「高麗民主連邦共和国」

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   韓国と北朝鮮の経済協力で「平和経済」が実現すれば「一気に日本の優位性に追いつくことができる」とする韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主張をめぐり、韓国メディアが意外な形で日本メディアを非難している。

   非難の対象になっているのは、文氏の発言を、金日成主席がかつて提唱した「高麗民主連邦共和国」構想になぞらえた産経新聞のコラムだ。韓国メディアは、産経コラムを「デマ」「根拠がない主張」などと罵倒している。

  • 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「平和経済」への本気度は?(写真は青瓦台の動画から)
    文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「平和経済」への本気度は?(写真は青瓦台の動画から)

「文氏が述べた言葉だといわれても特に違和感はない」と皮肉る

   「高麗民主連邦共和国」は、1980年の第6回朝鮮労働党大会で提案された構想だ。韓国では朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が1979年10月に暗殺され、軍人出身の全斗煥(チョン・ドファン)大統領が実権を掌握したものの、混乱が続いていた。この混乱に乗じる形での提案で、

「一つの国に相異なる思想を持つ人々がともに暮らすことは可能であり、一つの統一国家に異なる二つの社会体制が共存することも可能」

などと訴えたが、事実上在韓米軍の撤退を要求する内容だったこともあって、韓国側は受け入れなかった。

   コラムは阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員による「阿比留瑠比の極言御免」。8月8日の紙面に、「文氏が目指す高麗連邦共和国」の見出しで掲載された。「平和経済」をめぐる文氏の発言を

「文氏が本音を隠そうとしなくなったと感じるとともに、本気で高麗民主連邦共和国の実現を目指しているのだなとの印象を受けた」

と論評。「連邦共和国」構想が前提条件として(1)朝鮮半島の緊張緩和(2)アメリカの干渉中止(3)韓国の民主化実現、を掲げているとして、

「親北朝鮮政権の誕生と親北政策の徹底こそが北が求めた民主化だとすると、この(1)~(3)はもうかなりの部分、実現している」

と指摘。さらに、「自主性の堅持」「民主主義と民族の大団結」「南北の経済合作と交流」をはじめとする「連邦共和国」の10の施政方針を挙げながら

「文氏が述べた言葉だといわれても特に違和感はない」

と皮肉った。

「誤った事実も繰り返しメディアで報じられると...」

   その日のうちに、韓国メディアは反発した。通信社「ニュース1」は、コラムについて

「産経『妄言パレード』...『文大統領、高麗連邦制の目標』デマまで」

の見出しで批判。内容についても

「日本の極右媒体、産経新聞が文在寅大統領に対して、北朝鮮側が打ち出した南北統一案を目標にしているようだ、という根拠のない主張を展開した」
「誤った事実も繰り返しメディアで報じられると、受け取る側は事実だと認識する可能性もあり、懸念される」

だとした。通信社の「ニューシース」も、産経コラムの内容を「暴言を並べた」などと非難した。

   とはいえ産経コラムでは文氏が「高麗民主連邦共和国」を目指していることを断定的に報じているわけでもなく、文氏の発言と「共和国」構想との共通点も指摘しており、韓国側の「デマ」「根拠のない主張」といった指摘は必ずしも当たらないとみられる。

文氏の「平和経済」は韓国内でも波紋

   韓国側の過敏な反応には、大きく二つの背景があるとみられる。ひとつが、文氏の「平和経済」発言に対する批判だ。朝鮮日報は8月7日の社説で、発言は「国民を驚愕させた」として、「北朝鮮に対するこだわりは、病的レベルだと言わざるを得ない」とまで表現している。

   もうひとつが、連邦制に対する反発だ。18年12月に開城で行われた南北鉄道連結工事の着工式では、北朝鮮高官による「統一熱望」という発言が「統一連邦」という単語に取り違えられて報道されるというハプニングがあった。この「統一連邦」発言は、

「韓米共助を破って、北朝鮮主導の連邦制赤化統一をしようという話」
「北朝鮮内部の行事ではなく、南北が一緒にいて世界中の関心が集まっている場所で連邦制に言及したのは異例」

だという専門家の解説付きで報じられた。そういった中での産経のコラムの指摘が韓国側を刺激した可能性もありそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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