2020年 10月 21日 (水)

日米貿易交渉は、本当にウィンウィンか 米国「有利」の見方強い理由

あのやずやの『にんにくしじみ』が半額に!?

「交渉戦略」のまずさ指摘する声も

   ただ、自動車は日本の対米輸出(2018年は15.5兆円)の約3割の4.5兆円を占める「稼ぎ頭」で、貿易赤字削減を最大の公約に掲げてきたトランプ大統領にとって、日本からの自動車輸入を減らしたいのが本音。日米会談後の会見でも、制裁関税について「現時点ではない」としつつ、「私がやりたいと思えば、後になってやるかもしれない」とも述べ、矛を完全に収める気配はない。

   このほか、米国への自動車輸出の数量規制が盛り込まれるという情報はないが、北米自由貿易協定(NAFTA)見直しでカナダ、メキシコとの新協定には数量規制条項が設けられた例もあり、日本として警戒を怠れない。

   通貨安誘導を禁じる「為替条項」については「為替の話が出ていないことだけは分かっている」(麻生太郎財務相、8月27日閣議後会見)と、貿易交渉に含まれないとの立場だ。

   以上をまとめると、日本の農産品輸入は基本的にTPPレベル、米国の自動車輸入はTPPで約束した関税撤廃は見送りないし先送り、制裁関税の発動回避の確約なしとなる。米国に有利といえるだろう。

   専門家からは、日本の交渉戦略のまずさを指摘する声も出ている。細川昌彦中部大学特任教授(元経済産業省貿易管理部長)は、「もともと、米国がTPPから離脱するという自ら招いた不利な状況を早急に解消したいことから交渉ポジションは日本が圧倒的に有利であった。にもかかわらず、交渉は最初から日本がカードを切ったせいで、立場が逆転してしまったのだ」と指摘し、日本が農産品関税のTPP範囲内と自動車の追加関税回避の「2点に交渉の勝敗ラインを設定した」ためと述べている(日経ビジネス9月3日)。

   交渉の細目はまだ不明な点が多く、予断を許さないが、協定がどのような仕上がりになるか、目が離せない。

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