2019年 10月 18日 (金)

200人の常設部隊も 英報告書で見えた北朝鮮「ネット世論操作」の実力

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   北朝鮮は弾道ミサイル以外に、サイバー攻撃などの「空中戦」を展開していることが知られている。そのひとつがネットを利用した世論操作だ。その一端が、このほど発表された報告書で明らかにされた。

   報告書は、英オックスフォード大のインターネット研究所が2019年9月26日付で「世界の虚偽情報の秩序」と題して発表した。70か国・地域を対象に調査し、東アジアでは中国、北朝鮮、韓国、台湾が対象になった。この70か国ではソーシャルメディアを使った組織的な世論操作が認められたとされ、18年の48か国、17年の28か国から大幅に増えた。

  • 報告書では北朝鮮の「ネット世論操作」の一端が明らかになった(写真はイメージ)
    報告書では北朝鮮の「ネット世論操作」の一端が明らかになった(写真はイメージ)

盗まれたり乗っ取られたりしたアカウントも利用

   70か国のうち26か国で、(1)基本的人権の抑圧(2)反対勢力の信用を傷つける(3)異論を抑え込む、といった3つの方向で、ネットを使ったプロパガンダが世論操作の手段として利用された。東アジアでは中国と北朝鮮がこれに該当した。

   北朝鮮の手法は総じてシンプルだ。報告書では、情報操作を行う主体は(1)政府機関(2)政党や政治家(3)民間会社に発注(4)市民団体や若者グループを雇用する、の4つに分類。中国はそのうち3つが該当したが、北朝鮮は(1)のみ。情報操作の内容も、中国は「話の腰を折って重要な話題から目をそらさせる」「個人攻撃や嫌がらせで参加を抑圧する」といったことを行っているのに対し、北朝鮮は「政府や与党に肯定的なメッセージを出す」「反対陣営を攻撃する」のみだ。

   ただ、北朝鮮に特徴的なのは、盗まれたり乗っ取られたりしたアカウントも利用しながら世論操作を行っていた、と指摘されている点だ。北朝鮮以外には、グアテマラ、イラン、ロシア、ウズベキスタンの4か国しかない。報告書では、その背景を

「こういったアカウントは、それ自体は『フェイク』ではないが、本来の利用者がアクセスできないようにして、政府寄りのプロパガンダを拡散したり、言論の自由を検閲したりしようと、注目を集めるアカウントが戦略的に利用されている」

などと解説し、「伝統的なサイバー攻撃」に変わる形で展開されている、とした。

   もっとも、北朝鮮の部隊の規模は必ずしも大きな規模ではないようだ。報告書では、サイバー部隊の戦力規模を「大」「中」「小」「最小限」の4つに分類。中国は「大」で、常設部隊を設けた上で、全国で30~200万人が従事しているとみている。これに対して北朝鮮は「小」。常設部隊に200人程度がいるという。韓国と台湾は「最小限」だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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