2020年 2月 24日 (月)

新型コロナ対策で「抗HIV薬」一躍注目 中国では以前から利用、市場反応も

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   新型コロナウイルスによる肺炎について、タイ保健省が行った記者会見内容が注目されている。症状が重かった患者に対し、抗HIV薬とインフルエンザ治療薬を混合して投与したところ、48時間以内に症状が改善し、ウイルス検査でも陰性になったとしている。

   タイ当局が公式サイトでも公表した他、日本や欧米メディアも報じている(以下、全てデジタル版)。このウイルスをめぐっては、WHO(世界保健機関)などが遺伝子配列について公表しており、対策検討が進んでいる。また、タイでの発表を受けた株式市場への影響を伝えるメディアもあった。

  • 新型コロナウイルスに関するニュースに関心が高まっている(写真はイメージ)
    新型コロナウイルスに関するニュースに関心が高まっている(写真はイメージ)

インフルエンザ治療薬と混合使用

   タイ保健省は2020年2月2日、新型肺炎について記者会見した。保健省サイトによると、非常に深刻な症状を示していた患者にインフルエンザ治療薬と抗HIV薬を使用した結果、48時間以内に症状が改善したことが分かったという。タイの有力英字紙「バンコク・ポスト」(2日)の記事では、患者は71歳の中国人女性で、投与した薬は、インフルエンザ治療薬の「オセルタミビル」(商品名タミフルなど)と抗HIV薬の「ロピナビル」と「リトナビル」だと報じている。

   日本メディアも、「タイ政府『新型肺炎、エイズ・インフル薬で症状改善』」(日本経済新聞、2日)、「インフルとHIV薬混ぜ『新型肺炎が改善』 タイ政府」(朝日新聞、3日)などと報じており、読売新聞も3日、バンコク・ポストの報道内容を紹介した。朝日記事によると、会見した医師2人は「これは治療法ではないが、患者の症状は大いに改善した」と話した。

   欧米メディアでも、ブルームバーグやAFP、CNNなどが「48時間以内に(ウイルス検査が)陰性となった」などの会見内容を伝えている。

   これまでにも、たとえば1月27日の段階で中国国営通信社の新華社(AFP配信)は「抗HIV薬を新型肺炎治療に応用 北京市衛生健康委」(日本語版)の見出しで、今回のタイ当局会見で出てきた「ロピナビル」「リトナビル」について、「(北京市の衛生健康委員会が)同薬を用いた治療は国家衛生健康委員会が発表した『新型コロナウイルス肺炎治療プラン(試行第3版)』でも推奨されている治療法だとした」との見解を表明したと記事化していた。ただ、CNN記事(2月3日、日本語版)によると、「北京の複数の病院でも同様の抗ウイルス剤(原文ママ)を武漢で発生したコロナウイルスの治療に用いたと報道されたが、有効だったかどうかは明らかになっていない」状態だった。

厚労省サイト「有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法を行います」

   こうした中、今回のタイ当局発表が注目され、日本の株式市場への影響に言及する報道も出た。ロイター(3日午前、日本語版)は「日本株、新型肺炎関連が売られる 治療巡る発表を嫌気」と報じた。新型肺炎の感染拡大で需要が増えるとの思惑で買われていた関連株について、「既存の治療薬で治りそうだ」との見方も出て、「利益確定売り」が出たとの分析を紹介していた。

   タイ当局の発表内容の受け止め方などについて、J-CASTニュース編集部が3日、厚生労働省の担当部署に見解を確認しようとしたが、「国会対応などのため」、担当者はつかまらなかった。厚労省サイトでは、「新型コロナウイルスに関するQ&A」が「2日時点版」で更新されており(3日夕時点)、うち「どのような治療方法がありますか?」の質問に対しては、「有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法を行います」として、詳しくは国立感染症研究所サイト掲載のガイダンスを参照することを促していた。

   同研究所も3日現在、新型コロナウイルス問題については「個別取材対応は行っていない」(受付担当者)そうで、研究所サイト掲載の「新型コロナウイルス感染症の現状と評価と国内のサーベイランス、医療体制整備について」(1月31日時点版)を見ると、「国内対応」の項目で、

「現時点では重症リスク要因が特定されていないことから、最重要で対応をすべきは、国内における肺炎など中等症以上の新型コロナウイルス感染症の探知である。また、特異的な治療に関する知見も乏しいことから、諸外国における治療に関する情報の収集と共に、国内でも知見を蓄積していく必要がある」

と、「諸外国における治療に関する情報の収集」の必要性に触れていた。

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