「コロナうつしてやる」陽性男性が飲食店へ 行動の背景には何があったのか

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   新型コロナウイルス陽性となった愛知県蒲郡市内に住む50代の男が、外出してウイルスをばらまくような行動を取ったことについて、ネット上でも非難が相次いでいる。

   なぜこのようなことをしたのか、男が訪れた店の関係者に取材した。

  • 男は、店内で「自分は陽性だ」と言い放ったという(写真はイメージ)
    男は、店内で「自分は陽性だ」と言い放ったという(写真はイメージ)
  • 男は、店内で「自分は陽性だ」と言い放ったという(写真はイメージ)

男は、「今からお前のところに行く!」と店側に電話

   「『今からお前のところに行く!』と、店のオーナーに電話がかかってきたそうですよ」。男が2020年3月4日夜に訪れた蒲郡市内のパブのオーナーの知人は6日、J-CASTニュースの取材にこう明かした。

   報道によると、男は、両親と同居しており、両親が陽性になったことから、自分の子供1人とともに検査を受けた。すると、症状はなかったものの、4日に陽性と分かった。愛知県が受け入れ先の医療機関が見つかるまで男に自宅待機を要請したが、男は、「今から駅前でウイルスをばらまいてやる」と家族に告げたままタクシーで1人で外出した。

   男は、まず市内の居酒屋を訪れ、その後、はしごして、前出のパブに歩いて移っていた。

   店のオーナーの知人は、店が18時30分に開店すると同時に男が来たと聞いたと話した。男は、店内に入るなり、こう言い放ったという。

「コロナウイルスを持ってるから、お前らにうつしてやる!」

   店の従業員らは、最初は、冗談だろうと気にしなかった。

   しかし、その後、様々な情報が入り、本当かもしれないと感づくようになった。そして、店が警察に通報し、防護服を着た警察官が駆け付ける騒ぎにまで発展した。

従業員は自宅待機に

   地元メディアの報道では、男は、警察の到着前に店を出てタクシーで帰宅していた。男は、翌日の3月5日、愛知県内の医療機関に搬送され、そのまま入院している。保健所ではその後、店の周辺をアルコール消毒する作業に追われた。

   パブの店は、保健所から営業自粛を要請され、5日から休みに入った。濃厚接触者は、店の関係者を含めて数十人いるといい、従業員らは、保健所から自宅待機を求められている。

   この男は、なぜこんな行為に及んだのだろうか。

   前出のオーナー知人によると、男が店に来ると酒癖が悪く暴れるため、店は店内に防犯カメラを設置するなどしていた。知人は、その嫌がらせではないかとオーナーから聞いたそうだ。オーナーは、男が店に来る前に、女性従業員に「休んでくれ」と言って家に帰すような配慮もしていたという。

「うちの店には、10年ほど前に2、3回来たことがありますが、この男は、何か気に入らないと、大きな声を張り上げていましたね。お連れさんの男性客といつも一緒で、男が荒っぽくなると、この男性客が止めてくれていましたが」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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