2024年 4月 25日 (木)

福島第一原子力発電所で働く所員のエネルギー源 温かい「食」を支える人たちの熱意

提供:東京電力ホールディングス

「おいしかった」「ありがとう」がやりがいに

   ハンバーグに豚天丼、チャーシューメン、赤魚のみそ焼き――。献立表には、お腹を十分に満たすであろう食事が多く並んでいた。多彩なメニューに共通して使用されているのが、福島県産の食材だ。

「コメは初めから100%福島県産を使っています。ほかに豚肉、野菜はキャベツにネギ、モヤシ、魚は県漁連の協力を得て小名浜のもの。うどんやラーメンの麺もそう。それから...」

   渋谷社長が次々と品目を挙げる。「カレーはこだわっていますよ。県産の豚肉にタマネギは3種類、カレールーは2種類をブレンドします」。季節に応じたメニューや、「なみえ焼そば」のような地元グルメ、また2019年はラグビーワールドカップに関連して、ニュージーランドやアルゼンチンといった国の食事を用意するなど、オープン以来毎月フェアを開催し、工夫を欠かさない。

   毎日、日中4回、夕方1回とセンターから調理済みの食事を「食缶」に詰めて車に乗せ、福島第一原子力発電所の食堂に運ぶ。移動時間や食堂での準備時間から逆算し、「1時間後でもおいしく食べられること」を考えて作る。帰りは使用済みの食器を回収して、センターで洗浄する。これを毎日繰り返すため、センターでは2交代制で業務を行っている。

   食堂では、廣崎真裕美さんらが運ばれてきた食器や、食缶を受け取る。作業員が最も多かった時期は2300食、現在でも1600食に上るので相当な量だ。大型休憩所の食堂は朝8時には食器が運び込まれる。ランチタイムを軸とした営業で、加えて大型休憩所と新事務本館は17時30分~18時30分に夕食も提供する。

   廣崎さんは、センター立ち上げ時のメンバーのひとりだ。震災時は広野町に居住し、地元で飲食業に携わっていた。地元の復興に貢献したいと求人に応じ、食堂に配属された。未経験の同僚が多いなか、「既定の分量を正確に盛り付ける」から始まった。冷めないうちに手早く提供する。衛生状態を保つために絶対に常温で放置しない。アルコール除菌を徹底する――。試行錯誤を重ねて衛生・安全管理を最優先に、日々話し合いながら努力を重ねた。現在はマネージャー補佐として、パートや契約社員の仲間たちと共に業務にあたる。

「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく召し上がっていただけるよう気をつけています。配る量は正確に。そして、お客さまには明るく元気に対応する。こうした心構えを(同僚に)伝えています」

   何より喜びを感じる瞬間がある。「おいしかった」と声をかけてもらった時だ。

「転勤する社員の人から『今まで温かい食事をありがとう』と挨拶してもらうことがあります。本当にうれしく思います」

と廣崎さん。渋谷社長も「お客さまに『ありがとう』と感謝されるときに、やりがいを感じます」と口をそろえる。


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