2022年 7月 1日 (金)

福島第一原子力発電所で働く所員のエネルギー源 温かい「食」を支える人たちの熱意

温かい食事で部下や同僚とのコミュニケーションが活発に

   温かい食事が、ありがたい――。二本柳鑑さんは、事故直後から免震重要棟での作業に当たった経験から、そのありがたみを実感している。最初は非常食、その後はパン、そして弁当が支給されるようになった。弁当は温められるが、電子レンジの使用に行列ができ、仕事の忙しさもあって冷たいまま食べることが多かった。だから、食堂が完成して初めて食事した記憶が鮮明に残っている。

「ここで作りたてが食べられるなんて...非常に感動しました」

   食堂による「効果」はもうひとつある。同僚を誘って一緒に食事をしながら会話し、コミュニケーションが活発になった点だ。弁当支給の際は自席で食べることが多く、周りと話すこともなかった。震災前は、部下を連れて食事に行く機会が多かった二本柳さん。食堂の完成で、「いったん消えたコミュニケーションの場が、再びできた」おかげで、業務にもプラスに働いているという。メニューが豊富なのもうれしい。温かい食事と何気ないおしゃべりという「当たり前」を取り戻し、職場の環境は震災前の状況に戻った感覚だと話す。

   食堂以外にも、福島第一原子力発電所の大型休憩所には現在はシャワー室も完備。仕事が終わってしっかりと汗を流すことができ、泊まり込みの場合もゆっくり体を休めることができる環境だ。また、コンビニエンスストアも営業している。事故当時の厳しい状況からは様変わりし、日々の業務を円滑に進めるための労働環境が整えられている。

「食事を作ることで福島の復興に貢献するんだ、という思いでやっています。そして何より、今後も温かい食事を提供することで、作業員の皆さんを支えていきたいと思っています」(渋谷社長)
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