2024年 4月 25日 (木)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 
コロナでニューヨークのマスク事情も一変

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   2020年3月中旬、ニューヨークのビルのエレベーターで一緒になった若い黒人女性が、日本で手に入れた白いマスクをする私の顔をじっと見ている。

   新型コロナウイルスの影響で、アジア人に対する差別や暴力が報じられ、この街でもマスク姿のアジア人女性が罵声を浴びせられ、暴力を受ける事件があった。やや緊張していると、女性が不安げに言った。

「ねぇ、マスク、余分に持ってない? どこに行っても品切れなのよ」
  • ニューヨークの地下鉄で、マスクやマフラーで顔を覆う乗客たち
    ニューヨークの地下鉄で、マスクやマフラーで顔を覆う乗客たち
  • ニューヨークの地下鉄で、マスクやマフラーで顔を覆う乗客たち

自分でマスクを作る方法をSNSでシェア

   米国はコロナウイルスを相手に本格的な戦闘状態に突入した。渡航警戒段階が最も高い「レベル4」に引き上げられ、米市民の渡航禁止勧告と国外在住の米市民の帰国勧告が出された。国内外のフライトは、次々とキャンセルが続いている。

   3月21日夜(米東部時間)には、全米の感染者が2万5千人を超えた。トランプ政権は、ニューヨーク州に対して大規模災害宣言(MDD)を発令した。同州は3月22日午後8時から、必須事業以外の企業に対する全従業員の在宅勤務や、住民の不要不急の外出禁止を命じた。外出禁止令は、カリフォルニアやイリノイなど複数の州で出されている。

   ニューヨーク州は大会議場や大学を臨時の病院として使用することを検討しており、人工呼吸器の回収、マスクの大量生産・配布に早急に乗り出す。

   この連載の「マスク姿のアジア人はなぜ怖がられるのか」(2020年2月22日配信)で触れたように、これまで欧米では、日常の生活でマスク姿を見かけることはほぼ皆無で、異様な目で見られていた。医療関係者以外がマスクを着けていれば、重病患者だと思われた。

   私は3月中旬頃から、初めてニューヨークでマスクを着けるようになった。多くの欧米人にはやはり物珍しいようで、マンハッタンの公園で観光客らしき白人女性にカメラを向けられたこともある。

   が、この1か月間で、人々の危機意識は一変し、医療用マスクや薄い半透明のビニール手袋などを着ける人が日に日に目立ち始めた。服の襟元やマフラーで口や鼻を覆い隠す人もいる。自分でマスクを作る方法を、アメリカ人の私の友人知人もSNSでシェアしている。

   マスクをする習慣がない、マスクに予防効果はないと信じている、手に入らないなどの理由で、着けていない人のほうが多いが、それでもマスク姿の割合は、着実に増えている。

   スーパーのレジや郵便局、銀行の窓口などで、マスク姿の人も多くなった。ニューヨークの地下鉄の同じ車両に乗っていた14人のうち、11人がマスクをしていたこともある。

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