2020年 7月 14日 (火)

「保育士らは慰労金5万円の対象外」に疑問や不満 なぜ支給なし?厚労省に聞いた

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   新型コロナウイルス対策を盛り込んだ政府の第2次補正予算案がまとまり、医師・看護師や高齢者・障害者福祉施設職員にも慰労金5万円が支給される方向になった。

   ところが、保育士ら児童福祉施設職員には、慰労金が支給される予定はない。「休校中でも頑張ったのになぜなのか」と、ツイッター上では、疑問や批判も相次いでいる。

  • 保育士からも不満が出ているが…(写真はイメージ)
    保育士からも不満が出ているが…(写真はイメージ)
  • 保育士からも不満が出ているが…(写真はイメージ)

「私達だって毎日三密と闘いながら濃厚接触して仕事してきたよ」

   補正に盛り込まれた慰労金の制度では、感染者を受け入れた病院や感染者が出た施設に1人当たり20万円、それ以外の病院や施設に同5万円が支給される。しかし、児童福祉施設は対象外とされたため、このことが2020年6月2日に話題になると、他の福祉施設の職員らからは、ツイッター上でこんな指摘が出た。

「保育士さんや学童の先生方もリスク背負って子供を預かってくれた事を思うと、保育士さんへも同じ様に支給してもらいたい」
「保育士さんが見てくれてたから私たち出勤出来てたんですが」

   こうした発言の背景には、同じ福祉施設なのになぜという思いもあるようだ。

   もちろん、保育士や学童指導員からも、「私達だって毎日三密と闘いながら濃厚接触して仕事してきたよ」「倍働かせた分のお金を支払うべきではないですか?」などと不満が漏れている。

   「#保育士にも慰労金を」というハッシュタグで運動しようとする動きも、ツイッター上で始まった。保護者の立場から保育業界も声を上げるよう呼びかけた大学講師のツイートは、1万件以上もの「いいね」が寄せられている。

   もっとも、業界も対象外となったことに反応しており、全国社会福祉協議会など関係団体は2日、「新型コロナウイルス禍に対応している保育所・児童福祉施設の全職員へ『慰労金』支給を求める緊急要望」を1日付で厚労省に対して行ったことを公式サイト上で明らかにした。

「子供が感染すると重症化するリスクが高いと必ずしも言えない」

   緊急要望では、緊急事態宣言後も保育園などを継続する要請が出され、医師や看護師の子供も受け入れ続けており、「社会維持と生命を守る人たちのために、保育を継続してきました」と訴えた。また、保育で3密を避けることは難しく、全国50か所以上の保育園などで陽性者が出る中、「感染への不安を感じながら、保育を継続している」と現状を述べた。

   そして、「全国の児童福祉関係者ならびに社会福祉法人等組織関係者は、『対象外』とされたことに驚愕と強い憤りを感じています」として、児童福祉施設の全職員に速やかに慰労金を支給するよう求めている。

   この要望を取りまとめた全国社会福祉協議会の政策企画部は6月3日、J-CASTニュースの取材に担当者がこう説明した。

「慰労金は、感染リスクの中で接触を伴うサービスを行っていることに対し、社会維持の必要不可欠な仕事として支給が決まりましたが、保育所なども同様なサービスです。子供は、感染で重症化するリスクは低いともされていますが、保育士は、無症状で登園してくる子供がいて自らも感染する可能性がある中で働いています。高齢者や障害者の福祉施設とどうして差がつけられてしまうのか、児童だけが対象外であることに納得がいかない人が多いですね」

   厚労省からは、第2次補正で盛り込まれた感染予防の施設支援交付金50万円で何とかしてほしいと言われたという。しかし、「閉園した幼稚園にも出しており、筋が通らないと思います。補正には、予備費が10兆円あると聞いていますので、その中から出すことも考えてほしい」と担当者は話している。

   これに対し、厚労省の保育課は、児童福祉施設を対象外としたことについて、取材にこう説明した。

「慰労金は、感染拡大防止のためにウイルスに立ち向かっている医療機関の方と、感染すると利用者の重症化リスクが高い介護・障害者施設の職員の方に支給することにしました。児童福祉施設については、子供が感染すると重症化するリスクが高いと必ずしも言えないと思います。また、登園を自粛してもらって利用者の人数が減った中でも、他の福祉施設とは違って、給料などに充てる保育所などへの運営費は通常通り支給されています。クラスターの発生率は、他の福祉施設に比べると低く、死亡例も少なくて軽症者が多いこともあります」

   緊急要望に対しては、こうした考え方を今後説明していくという。

   感染予防の交付金50万円については、そのための物品購入や研修のほかに、施設の職員が業務時間外に消毒や清掃などを行ったとき、職員への時間外賃金支給にも充てられるとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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