外岡秀俊の「コロナ 21世紀の問い」(11) 「中国式」の力と限界

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   昨年暮れに中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、瞬く間に世界を一巡し、刻一刻と感染地図を塗り替えている。米国や中南米、南アジア、アフリカの被害が増え続けているため、おおむね沈静化した中国は今や「制圧」を自画自賛するまでになった。だが、その方式に限界はないか。「中国式」が国際標準になるのは、遥か先のことだ。

  •                               (マンガ;山井教雄)
                                  (マンガ;山井教雄)
  •                               (マンガ;山井教雄)

コロナをめぐる中国の位置

   20世紀末から今世紀初めにかけ、中国ほど「後発者利益」を享受してきた国は少ない。改革開放路線に舵を切って以来、経済特区に外国資本を呼び込み、技術移転によって製造業を興し、安価な労働力を武器に「世界の工場」を自他ともに認める存在になった。

   先行者の失敗やリスクに学び、長い時間をかけてインフラを構築する手間を省き、ITや衛星通信など世界最先端の技術を一気に導入する。そうした後発組ゆえの強みを発揮し、成長の道を驀進してきた。

   だが、こと今回の新型コロナになると、最初の感染地である中国は、今や「先行者」としての反射的利益を享受しているかのようだ。

   米国のジョンズ・ホプキンス大の2020年6月29日付集計によると、1千万人を超えた感染者数では米、ブラジル、ロシア、インド、英国、ペルー、チリ、スペイン、イタリア、イランなどが上位を占め、中国の8万4757人は21位だ。総数が50万人を超えた死者数では、米、ブラジル、英国、イタリア、フランス、スペイン、メキシコ、インド、イラン、ベルギーが上位で、4641人の中国は、こちらも19位になっている。人口10万人あたりの死者数で、中国はすでに日本を下回っているが、この先、世界で被害が拡大するほど、「先行者」である中国のランクは下がり続けていくことになりそうだ。

   では、それをもって、中国が新型コロナを「制圧」したモデルの一つになるのだろうか。ことはそれほど簡単ではない。

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