2020年 8月 5日 (水)

EVO ONLINE中止の激震 eスポーツ界は「膿」を出し切らねばいけない

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   2020年7月4日より開催予定となっていたeスポーツイベント「EVO ONLINE」の開催が急遽中止された。中止の理由は「EVO」の創設者でありEVO主催会社の幹部であるJoey Cuellar氏が約20年前に行った、セクハラ行為に対する告発が行われたためとなっている。

   「EVO」は世界最大級のeスポーツ大会。この告発に「EVO ONINE」で自社タイトルの大会が開催される予定となっていたカプコンとバンダイナムコエンターテインメントなど複数の企業が大会への不参加を発表。有力選手からも不参加表明が相次ぐ状況となった。Joey Cuellar氏も告発の内容を認め謝罪し、今後、「EVO」が関わる全てから追放されることとなった。

  • EVO公式ツイッターより。Joey Cuellar氏の追放がアナウンスされた
    EVO公式ツイッターより。Joey Cuellar氏の追放がアナウンスされた
  • EVO公式ツイッターより。Joey Cuellar氏の追放がアナウンスされた

コンプライアンスの徹底が大会開催の条件に

   「EVO ONLINE」はコロナウイルスの影響で中止となった「EVO 2020」の代替イベントとして企画された大会であり、7月から8月にかけて約一か月間に渡って開催される予定だった。

   多くの大会が延期、中止される状況下で、eスポーツ選手や関係者にとって開催が待ち望まれていた大規模な大会ではあったが、Joey Cuellar氏の行為は許されることではなく、やむを得ない決断だったと言えるだろう。むしろオフライン大会の「EVO」が直前で中止となっていた場合、世界中から集結した選手たちが最終調整に余念がない状況下で、突然奈落の底へ叩き落されていた形となる。渡航費や滞在費の工面に四苦八苦している選手や関係者も多く、精神的なものはともかく、経済的ダメージはだいぶ抑えられたのがわずかな救いだ。

   今回の中止は、eスポーツの世界に数多くの教訓を残した大きな事件となった。まずは関係者に対するコンプライアンスの徹底が、今後eスポーツ大会を開催するにあたり、絶対条件であることが明示された。これはかつて「なあなあ」で済まされてきたセクハラ・パワハラ・法令違反に対して厳正な調査と対処が必要になったことを意味している。「昔は許された」「そんな昔のこと覚えていない」は通用しない時代になったのだ。

   今後、eスポーツの世界は「膿を出す」必要に迫られるだろう。一人、罪を犯した人間がいれば、それを理由に多くの人が時間と情熱と労力を費やした大会を、あっさりと中止に追い込まれる現実を多くの人が認識したのだ。

   願わくば、「EVO ONLINE」の中止は、「eスポーツの未来が良い方向に向かうために必要だった」と、後に回想できるようになってほしい出来事になることを、筆者は切に願っている。

(eスポーツライター 早川清一朗)

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