2020年 11月 27日 (金)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
熊本豪雨で考える「治水のコスト」 筆者が10年前「ダム中止」反対した理由

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   熊本県の水害で多数の方が被害に見舞われている。心よりお悔やみ申し上げたい。

   それで思い出されるのは、川辺川ダム(熊本県相良村)の建設中止だ。2009年8月30日衆議院選挙があり、大勝した民主党政権が誕生した。公約の中で「東の八ッ場ダム、西の川辺川ダムの中止」があった。

   その当時、この中止に対し、筆者はサンクコストによる意思決定理論から反対を論じた(「日本の大問題が面白いほど解ける本」)。

  • 2008年5月の川辺川ダム建設予定地(Wikimedia Commonsより)
    2008年5月の川辺川ダム建設予定地(Wikimedia Commonsより)
  • 2008年5月の川辺川ダム建設予定地(Wikimedia Commonsより)

サンクコストを計算すると...

   サンクコストとは、経済学でよく使われる概念で、それまで投入したコストは度外視して考えるというものだ。公共投資に則して言えば、それまで投下したコストを考えずに、完成までに要するコストだけと完成後の便益を比較し、便益が勝るときには工事継続、便益が劣るときには工事中止となる。

   八ッ場ダムも川辺川ダムもどのように計算しても、工事中止という結論は出てこない。しかし、当時は政権交代の熱気なのか、当時のマスコミは八ッ場ダムと川辺川ダム中止ばかりだった。今の熊本の洪水被害の惨状を伝えているのと10年前に川辺川ダム建設に大反対していたのは、同じマスコミである、筆者としてかなり違和感がある。

   東の八ッ場ダムについては、地元群馬県知事だけはなく首都圏知事も中止反対になったので、民主党政権時代に中止から建設続行に転じた。これは、結果として、その後の治水環境に大きく貢献した。

   一方、西の川辺川ダムについては、地元熊本県において、2008年3月脱ダムを主張する蒲島郁夫氏が知事選に当選し、現在にいたるまで知事を続けている。

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