2024年 4月 20日 (土)

鉄道大手20社、全て最終赤字に 4~6月期決算にみるテレワークの影響度

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   新型コロナウイルスの影響で、鉄道大手20社は2020年4~6月期に全て最終赤字となった。基幹事業の運輸業が前年同期比で30%~70%台の減収となった影響が大きい。企業でテレワークの導入が進み、大都市圏の路線で通勤客が減ったこと、「移動自粛」で旅行・出張向けの新幹線・特急の利用も減ったことが響いている。緊急事態宣言の解除後、売り上げは戻りつつあるものの、テレワークは定着しつつあり、また旅行客の戻りも鈍い。

   8月12日までに各社の連結決算が出そろい、JRの主要4社と大手私鉄16社について分析した。20社が四半期決算で全て赤字になるのは初めてだという。赤字幅は合計で約5054億円にもなる。

  • 出張や観光での利用が激減し、新幹線を運行するJR各社は減収幅が大きかった
    出張や観光での利用が激減し、新幹線を運行するJR各社は減収幅が大きかった
  • 鉄道大手20社の2020年4~6月期の業績
    鉄道大手20社の2020年4~6月期の業績
  • 出張や観光での利用が激減し、新幹線を運行するJR各社は減収幅が大きかった
  • 鉄道大手20社の2020年4~6月期の業績

コロナで外出・移動自粛、JR東海は売り上げ73%減

   連結売上高が前年同期比で最も落ち込みが大きかったのがJR東海で、73%減の1287億円。主力の東海道新幹線が、コロナ禍での外出・移動自粛で「ビジネス、観光ともにご利用が大幅に減少した」(JR東海)ため、運輸部門の営業収益が前年同期比で78%減の798億円にとどまったことなどが響いている。

   同様に新幹線を抱えるJR東とJR西も、連結売上高はともに55%減。通勤路線も含め、「鉄道のご利用の落ち込みが極めて大きい」(JR西)という。バス事業を含めた運輸部門の営業損失(赤字)は、JR東が1629億円(前年同期は1082億円の黒字)、JR西は868億円(同じく561億円の黒字)だった。東北新幹線や北陸新幹線、山陽新幹線などで観光、出張ともに利用が激減したという。

鉄道大手20社の2020年4~6月期の業績
鉄道大手20社の2020年4~6月期の業績

   私鉄各社も厳しい。近鉄グループホールディングスは前年同期比で62%減の1139億円。通勤路線での減収に加え、例年は5月のゴールデンウィークの時期に増える沿線の京都、奈良、伊勢などへの観光客の特急利用が、20年は大幅に減ったという。

   他も、西武ホールディングスが前年同期比で54%減の663億円となるなど、各社とも厳しい。鉄道部門の営業収益は各社とも35~50%減った。

   観光より通勤・通学利用の割合が多い東急は前年同期比で25%減の2097億円だったが、鉄道・バスなど交通事業の営業収益は43%減の300億円となった。

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