2021年 3月 4日 (木)

しまむらに吹く「追い風」とは コロナ禍のなか証券会社の注目点

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   衣料品チェーン大手、しまむらの株価が2020年8月28日まで6営業日連続で年初来高値を更新した。週明け8月31日に連騰記録は途切れたが、春先のコロナショックで大幅に下げ、4月2日につけた年初来安値(5530円)からは8月28日の9040円まで、5割以上高い水準に戻している。コロナ禍でも「巣ごもり」する消費者の購買意欲が衰えない安価な普段着の需要に期待が集まっているようだ。

   しまむらが8月24日に発表した8月度(7月21日~8月20日)の既存店売上高は前年同月比4.5%減と3カ月ぶりにマイナスに転じたが、投資家たちは買いの姿勢を緩めなかった。しまむらは「花火大会や海開き等の自粛で浴衣や水着の需要が消失」「営業日数が昨年より1日少なかった」ことが要因だったと説明している。そういう中でも「梅雨明け後は冷感などの機能性を持たせた肌着や寝具が好調だった」としている。「素直に長梅雨の影響と考えれば、しまむらの勢いは衰えていない」と判断した投資家が多かったとみられる。

  • 長期でも回復に向かう?(写真はイメージ)
    長期でも回復に向かう?(写真はイメージ)
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短期間でのV字回復

   しまむらにとって2020年度となる3月度以降の既存店売上高は12.1%減(3月度)、28.1%減(4月度)、23.4%減(5月度)、27.0%増(6月度)、9.1%増(7月度)となっている。第1四半期は22.2%減、第2四半期は10.7%増という短期間でのV字回復が読み取れる。第2四半期はTシャツなどの普段着が特に伸びた。第1四半期は4月7日の政府の緊急事態宣言を受けて営業時間の短縮や休業を行っており、全店舗の営業再開が第2四半期に入った6月1日となったことが売り上げに直接的な影響を及ぼしている。

   一方、8月下旬に国内外の証券4社が目標株価を相次いで引き上げたことも、連日の年初来高値更新に向けて投資家の買い意欲を後押ししたようだ。8月21日付リポートで6500円から8400円に引き上げた大和証券は「1Q(3~5月)は営業赤字と苦戦したが、6月以降の売り上げ回復に注目」とした。

株価の高値警戒感も

   8月27日付リポートで6800円から8300円に引き上げたSMBC日興証券は「郊外立地への追い風」を挙げた。もともと出店費用が安い郊外のロードサイドに店舗が多いしまむら。「不便な店へ行ってでも買いたい商品」をそろえている強みがあるところへ、コロナ禍によって郊外の昼間人口が増え、郊外に住む人が郊外で買い物をするようになった、ということなのだろう。SMBC日興証券はまた、過剰在庫が減り在庫鮮度が上昇する「在庫調達抑制」に取り組んでいることが、足元の収益を伸ばしていると指摘した。

   ただ、SMBC日興証券は「短期回復の強さは評価」しながらも「長期回復に向かうか確信はまだ持てない」としている。株価の方も回復が急テンポだっただけに高値警戒感も強く、このまま上昇基調を続けるかどうかは見方が分かれそうだ。

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