2020年 11月 25日 (水)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 「コロンブスの日」めぐる祝意と抗議の現場

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   「ああやって警官が始終、あのくそコロンブスの像を子守りしてるから、何もできやしない」――(抗議デモのリーダー)。ニューヨーク市では警官が毎日24時間、市内にある複数のコロンブス像を見守っている。

   1492年にイタリア人探検家クリストファー・コロンバスがカリブ海の島に上陸した10月12日を記念する「コロンブスの日」を前に、トランプ大統領は「国民がこの日を祝うべき」との宣言文を発表した。今回のこの連載では、私が見た今年の「コロンブスの日」を、コロンブスを巡る全米の動きとともに伝える。

  • 警察が24時間見守る「コロンバス・サークル」中央にそびえるコロンブス像(2020年10月、ニューヨークで筆者撮影)
    警察が24時間見守る「コロンバス・サークル」中央にそびえるコロンブス像(2020年10月、ニューヨークで筆者撮影)
  • 警察が24時間見守る「コロンバス・サークル」中央にそびえるコロンブス像(2020年10月、ニューヨークで筆者撮影)

「今日は 先住民の日)」

   2020年のその日は、朝から冷たい雨が降っていた。ニューヨークの「コロンバス・サークル」で抗議運動があると知って私が駆けつけると、25メートルほどの高さにそびえ立つコロンブス像の周辺を、大型車を含むパトカー16台がぐるりと囲み、普段よりさらに厳重な警備体制が敷かれていた。

   抗議デモの多くは市の許可を取らずに行われるが、警官は常に情報を入手し、事前に待機している。

   雨風が強かったこともあり、ほとんどの警官は車内に待機していたが、実際に数えてみると、約90人。そのすぐそばにある「トランプ・インターナショナル・ホテル」の前後には、少なくともパトカー10台が待機していた。

   5月以降、黒人男性の白人警官による死亡事件を機に、人種差別抗議デモが大きなうねりを見せると、全米各地でコロンブス像の破壊が相次いだ。中西部ミネソタ州セントポールでは台座から引きずり下ろされ、南部バージニア州リッチモンドなどでは水の中に投げ込まれた。東部マサチューセッツ州ボストンでは、コロンブス像の頭部が切り落とされた。市が自ら、像を撤去したところもある。

   トランプ氏は6月、像や記念碑を損壊・撤去する行為に禁錮刑を科す大統領令に署名した。また、地方の法機関や警察がこうした暴力を看過した場合、連邦政府の補助金を停止するとした。

   しばらくすると、抗議デモの参加者が集まり始めた。これまでも彼らは大人数で自転車に乗り、デモを繰り広げている。20代の若者が多い中で、60代くらいの白人男性クレッグに声をかけた。

「今日は 『Indigenous People's Day(先住民の日)』だから、ここに来たんだよ。白人が侵略し、先住民の虐殺を始めた日だ。子供の頃、コロンブスは僕の英雄だった。でも数十年前に、彼と一緒に航海に出た人の記録を読み、彼らがいかに残虐に先住民を抑圧し、虐殺したかを知って、大きなショックを受けたよ」

   20代の女性は母親が黒人で、父親がアメリカ・インディアンのルーツを持つエクアドル出身だった。

   「『学校の歴史の授業でコロンブスについて教えていることは、間違っている』と両親に言われて育った」と話す。

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