2021年 1月 16日 (土)

「日本初の外国人総理大臣」虚構新聞が話題 ソースは20年前の朝日新聞?→調べてみると記事実在!

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   米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ大統領の敗北が伝えられている中、日本のツイッターでは「日本初の外国人総理大臣」というワードが2020年11月9日にトレンド入りした。

   発端になったとみられるのは、実在しないニュースを掲載する「虚構新聞」が9日に配信した『敗北トランプ氏、「日本初の外国人総理大臣」に意欲』という記事。ツイッター上では各界の著名人もこの「嘘記事」に反応するなど、注目を集めた。

  • 虚構新聞の「日本初の外国人総理大臣」記事が話題(画像は虚構新聞より、一部編集)
    虚構新聞の「日本初の外国人総理大臣」記事が話題(画像は虚構新聞より、一部編集)
  • 虚構新聞の「日本初の外国人総理大臣」記事が話題(画像は虚構新聞より、一部編集)

「トランプ氏の関係筋」「政府関係者」が登場

   虚構新聞は「現実にありそうでない」ニュースを日々掲載しているサイト。過去には「嘘ニュース」として報じたものが現実になってしまったとして、謝罪したこともある。

   今回の嘘記事は「トランプ氏の関係筋」の話として、米大統領選で敗北が伝えられたトランプ氏が、日本の次期総理就任に意欲を示しているというもの。トランプ氏が10月末ごろから「米国外の指導者になれないか」と周囲に尋ねていたこと、英国やフィリピン、ブラジルなどが候補に挙がる中、とりわけ日本に関心を寄せるようになったことなどを伝えている。

   こうしたトランプ氏の意向は「既に日本政府に伝えられている」とし、同紙はトランプ氏を受け入れるための法整備が必要だと説明。ここで、小渕恵三内閣時代の1999年4月1日に、外国人閣僚登用のための「大臣ビッグバン法案」が検討された、という当時の朝日新聞のニュースを引き合いに出した。その上で、「同じ方向性で対応できるかどうか、内閣法制局を中心として現在検討中」という政府関係者への取材内容を掲載している。

   他にも、衆院選を前に与党内から「豪腕さに欠ける菅首相では勝てない」と不安視する声や、トランプ氏の外交手腕に期待する「トランプ待望論」が聞かれていることなどを報道。トランプ内閣が発足した場合は「歴代政権との整合性や継続性に配慮」し、「米国第一主義」を新たな政策として掲げる方針であることが伝えられた。

「センスに脱帽」「さすが虚構新聞」

   見出しの右横にあるスペースをドラッグすると「これは嘘ニュースです」と表示されるように、記事はあくまで「嘘」に過ぎない。しかし、そのインパクトある見出しや記事内容がツイッター上で話題となり、9日の朝9時台には「日本初の外国人総理大臣」がトレンド入り。読者からは「一瞬でもマジかと思わせるセンスに脱帽」「さすが虚構新聞」など評価する声がある一方で、「ソースを読まない層に間違った情報が広まる」という心配も聞かれた。

   様々な分野の有名人も「嘘記事」に反応している。2001年のヒット曲「Lifetime Respect」で知られるレゲエアーティスト・DOZAN11(旧名:三木道三)さんは、一部メディアで「辞職報道」が出たロシアのウラジーミル・プーチン大統領を引き合いに出し、「むしろ来年引退っていうプーチンがやった方が、ロシア、中国との関係や拉致問題なんかも全部解決させちゃう可能性はある、かも...」とツイート。脳科学者の茂木健一郎さんは「スローガンは、Make Japan Great Againでお願いします」、医師の岩田健太郎さんも「芸が細かい」とそれぞれ投稿した。

   前新潟県知事の米山隆一さんは「『もしかすると「保守論客」や「国会議員」の何人かは、真に受けて賛成のTWをするかもしれないな』と、思わないでもありません、ええ」と記事内容を鵜呑みにする人が出てくることへの懸念を示した。

朝日新聞の「大臣ビックバン法案」記事は実在

   なお、虚構新聞が記事の中で触れた「大臣ビックバン法案」について、かつて朝日新聞が報じていたこと自体は事実だ。J-CASTニュースが11月9日、記事データベースサイト「日経テレコン」で調べたところ、当時の記事を発見した。

   朝日新聞は99年4月1日の朝刊6面で『首相、閣僚に外国人登用 ビッグバン法案 きょうエイプリルフール』という見出しの記事を掲載。当時の小渕首相が、「政界の深刻な人材難を解消する緊急策」として外国人を閣僚に登用できるようにする「閣僚等国家公務員特別職国籍制限緩和臨時措置法案」(大臣ビッグバン法案)を国会で提出する方針を決めた、という「エイプリルフール記事」だ。

   記事の中では「入閣が取りざたされる人たち」として、旧ソ連改革の旗手となったミハイル・ゴルバチョフ氏や、「鉄の女」の愛称で知られるマーガレット・サッチャー元英国首相らの名を挙げている。この2者の名前は、今回の「虚構新聞」の記事でも登場する。

   朝日新聞はこの翌日、99年4月2日の朝刊6面で『小渕首相「もっと若い人を」 外国人閣僚記事、ジョークで切り返し』という記事を掲載。エイプリルフール記事を知った小渕首相が、記者の取材に対して「きょうは四月一日だろ」と受け流した上で、「日本の政治家は十分な仕事ができると思いますよ」「(外国人を登用するなら)もっと若い人にお願いしたいな」と反応したことを伝えている。

   また、朝日新聞は同じ記事で、前日の「エイプリルフール記事」を受けて、「本当のニュースとして流してしまった外国メディアがあったほか、朝日新聞社にも感想や問い合わせが殺到」したと説明し、

「一年に一回くらいこんなユーモア記事があっても良いと思って、政界の人材難をちょっと皮肉ってみました。でも、信じて下さった読者の皆さんには、ごめんなさい。どうもお騒がせいたしました」

   と釈明している。

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