2021年 6月 17日 (木)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
政権移行動き始めたが...民主党支持者にも「選挙不正」論

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民主党支持者でも20~30%が「不正」疑う

   11月17日に公表された世論調査(Politico/Morning Consult poll)によると、トランプ氏はすぐに敗北宣言すべきだと考えている投票者は46%で、不正を証明できなければ敗北宣言すべきだとする人は32%だった。

   複数の世論調査を見ると、今回の米大統領選について「不正」を疑う国民は、少なくない。とくに民主党支持者の間でも、そう答える割合が予想以上に高かったと、民主党寄りのメディアなどからも驚きの声が上がっている。

   11月17、18日に行われたラスムッセン世論調査では、「バイデン勝利を確実にするために、民主党がいくつかの州でトランプ票を盗んだり破棄したりしたと思うか」との問いに、「大いにありそうだ」と答えた人が、共和党支持者では61%、無党派で29%、そして民主党支持者でも20%に及ぶことがわかった。

   「ありそうだ」を含むと、共和党支持者で75%、無党派で39%、民主党支持者で30%に増えた。 CNNのニュースサイトのオピニオン欄(2020年11月20日付)では、「米大統領選から数週間、トランプ大統領とそのチームによる最終結果を覆す試みは、複数の裁判所で失敗に終わったものの、世論という法廷では驚くべき進展を遂げた」とし、「率直に言って状況は、トランプ氏により有利に傾きつつあるようだ」と懸念を示している。

   そして、モンマス大学が11月18日に公表した世論調査に触れ、「米国民の32%、トランプ支持者に限ればその77%が、バイデン氏の勝利を不正投票の結果と考えていることがわかった」と述べている。

   つまり、国民のほぼ3人に1人、トランプ支持者の4人に3人以上が、不正だと考えていることになる。

   CNNの記事は続く。「こうした分の悪いデータは、ロイター通信の報道がさらに裏付けている。トランプ氏に投票した全米の50人に同社がインタビューしたところ、選挙結果は不正に操作された、あるいはある意味で違法だと、全員が確信していると回答した」、さらに「多く回答者が、虚偽とされる陰謀説を繰り返し口にした」としている。

   トランプ陣営のこうした動きは、「バイデン次期大統領の統治能力のみならず、我が国の民主主義そのものさえも脅かしかねない」と警告している。

   回答者数が1000人程度のものもあり、世論調査をどれだけ信頼できるかは、疑問だ。とはいえ、トランプ氏が「フェイクニュース」と敵視してきた「CNN」から、こうした声があがったことは興味深い。

   ニューヨーク市に住む私の友人で、民主党支持者のマウリーン(60代)は、先日、セントラルパークの芝生にすわって、私にこう話していた。

「国民の半分近くは、トランプ氏に投票したとされている。トランプは嫌いだけれど、万が一、不正があったのであれば、法的な手順を踏んで明らかにするべき。それが民主主義だと思う」

   誰が大統領に選ばれるかということより、「民主主義」が守られることが、米国だけでなく、世界にとって何より重要だ。

   トランプ氏は、CNNニュースサイトの記事が懸念するように「民主主義」を脅かしているのか。それとも多くの支持者が信じるように「民主主義」のために戦っているのか。

   トランプ氏は23日、バイデン次期政権への移行プロセス開始を許可したことを明らかにした。ただし、法廷闘争をこのまま続ける姿勢は、崩していない。(随時掲載)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計40万部。2019年5月9日刊行のシリーズ第9弾「ニューヨークの魔法は終わらない」で、シリーズが完結。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

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