2022年 10月 1日 (土)

映画秘宝「恫喝」DM騒動で双葉社も謝罪 「慎重さを欠いた対応となってしまった」

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   月刊映画誌『映画秘宝』の岩田和明編集長が、一般の個人に向けてSNS上で悪質なメッセージを送った問題で、発行元の双葉社(東京都新宿区)は2021年1月21日、「今回の事案が発生したことを大変重く受け止め、当該個人の方に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

  • 映画秘宝公式ツイッターより
    映画秘宝公式ツイッターより
  • 映画秘宝公式ツイッターより

個人情報が加害者に「開示されてしまっている」

   騒動の発端は、岩田氏が一般のツイッターユーザーに送付したダイレクトメール(DM)だ。

   このユーザーが、岩田氏らが出演したラジオ番組の感想をツイッターに書き込んだところ、1月17日に映画秘宝の公式アカウントからフォローされた上でDMが届く。

「突然、たいへん失礼いたします。今、心の底から深く深く心が傷付き、胸が張り裂けそうなほど大きなショックを受けて、死にたいです。私は、『俺たちの~』も『ポンコツ』も、いちども言ったこととがありません。純粋な悪口ということでしたら、これは誹謗中傷でしょうか。いま、胸が締め付けられるほど苦しくて、呼吸が乱れており、壊れそうなほど深く心が傷付き、あまりのショックの大きさから、何も手が付けられない状態にいます。死にたい」(原文ママ)

   受け取ったユーザーによれば、双葉社にDMの内容について問い合わせたところ、岩田氏から電話があり、謝罪を受けたという。

   その時の心境を「責任者の方がハラスメントを行っている張本人だった訳で、結果的にハラスメントを受けた当人(問い合わせをした私)の電話番号と氏名が、嫌がらせ行為を行っていた本人(加害者側)に直接開示されてしまっている状態となっており、正直怖いです」と赤裸々にツイートしている(現在は非公開)。

「断じて許せない行為」

   このユーザーが一連の経緯を公表すると、SNS上では映画秘宝や双葉社に批判が殺到した。

   映画秘宝の公式ツイッターは25日、岩田氏名義で「すべては公式アカウントの管理・運営にあたっていた編集長である岩田和明の単独行動であり、責任はすべて岩田和明にあります」と非を認め、「媒体の影響力を顧みず、公式ツイッターからいち個人へのあるまじき悪質なDMを送付してしまったことを、深く反省いたします」などと謝罪した。

   DMの送信理由は「(前述のラジオ番組への感想の中で)女性ゲストが不在である件、及びホモソーシャル的な映画秘宝文化についての苦言が記されていたことについて、過労のなかで一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまったためです」と説明している。

   翌26日には、映画秘宝の制作会社「合同会社オフィス秘宝」(東京都新宿区)の田野辺尚人取締役、編集部、相談役の町山智浩氏、柳下毅一郎氏名義で「『映画秘宝』編集長・岩田によるダイレクトメッセージによる恫喝に関するご説明」と題した声明が出され、改めて「被害者の方に深く謝罪を申し上げます。大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。

   岩田氏については、「雑誌という公共性を持ったメディアが個人に対して攻撃を加える行為を、断じて許せない行為」「『映画秘宝』は映画から、差別や暴力の恐ろしさを学び、その上で弱者に寄り添うことを編集上のポリシーとして雑誌の制作を続けてきておりました。今回の岩田の行為は、本誌の心情と真っ向から対立する、許しようのない行為です」と糾弾し、処分を予定していると明かした。

   岩田氏が被害者に直接連絡した件については、「小誌・編集部が岩田からの謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした。謝罪のためとはいえ、被害者にとって暴力的な行為であり、それを未然に防ぐことのできなかった責任は編集部にあると考えております」と編集部にも責任の一端はあるとする。

   J-CASTニュースは同社に、(1)不適切なDMの送信は本件のみか(2)騒動の背景には、労働環境やガバナンス(企業統治)体制の問題もあったか(3)具体的な再発防止策――などを質している。回答があれば、追記する。

双葉社の見解は

   双葉社にも取材を申し込んでいたが、同社は26日に謝罪文を発表し、「今回の事案が発生したことを大変重く受け止め、当該個人の方に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」とお詫びした。

   「個人情報を含めた情報共有の過程においても、その取扱いについて弊社としても慎重さを欠いた対応となってしまいました」と反省の弁を述べ、再発防止策として「今後は、『映画秘宝』公式ツイッターアカウントでの私信を禁じるのは当然として、私信にあたらないDMについても、送信前に複数人がチェックする等SNSの運用・管理を厳格に行い、個人情報の取り扱い方、情報共有のあり方についても最大の注意を払い、再発防止に向け全力で取り組んでいく所存です」と約束した。

   なお、「本件についての責任は弊社及び合同会社オフィス秘宝にあり、当該個人の方に対してのネット上等の誹謗中傷の行為については厳に慎んでいただきますよう心よりお願い申し上げます」と呼びかけている。

   同社は取材に、「発表している以上のことはお答えできない」とした。

オフィス秘宝の謝罪文全文

   この度は小誌・『映画秘宝』編集長であり、合同会社オフィス秘宝代表・岩田和明による、「映画秘宝公式Twitter」を用いたダイレクトメッセージによる恫喝的発言に関しまして、雑誌『映画秘宝』の制作会社・合同会社オフィス秘宝の出資者であり、相談役である町山智浩と柳下毅一郎と、実制作業務を行う編集部一同より、謝罪とご報告をさせていただきます。

   まず岩田に聞き取りをしたことをもとに、被害者の方にダイレクトメッセージを送付した経緯をご説明いたします。

   岩田は「仕事などで疲労とストレスが溜まっていた際に、小誌編集部に対する意見を書かれているツイートを拝見し、その内容によって頭に血が昇り衝動的に攻撃的な内容のダイレクトメッセージを送った」と述べています。

   しかし、本誌編集部としては、雑誌という公共性を持ったメディアが個人に対して攻撃を加える行為を、断じて許せない行為だと考えます。被害者の方に深く謝罪を申し上げます。大変申し訳ございませんでした。

   さらに看過することができないのは、岩田が被害を与えた方に直接電話で連絡を持ったことです。それは、小誌・編集部が岩田からの謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした。謝罪のためとはいえ、被害者にとって暴力的な行為であり、それを未然に防ぐことのできなかった責任は編集部にあると考えております。

   「映画秘宝」は映画から、差別や暴力の恐ろしさを学び、その上で弱者に寄り添うことを編集上のポリシーとして雑誌の制作を続けてきておりました。今回の岩田の行為は、本誌の心情と真っ向から対立する、許しようのない行為です。

   本誌編集部としては、後日の協議にて、岩田に対して断固たる処分を下します。追って処分内容を、ご報告させていただきます。

   最後に改めて、被害に遭った方に対して、深く謝罪を申し上げます。大変申し訳ございませんでした。

   今後、被害者の方に誠意ある対応を努め、信頼回復を目指します。

   また、この件に関しては発行元である株式会社双葉社は一切関与しておりません。本件に関するお問い合わせは合同会社オフィス秘宝までお願いします。

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