2024年 4月 23日 (火)

もう令和なのに...GBAが「最新ゲーム機」 競輪宿舎の日常が話題に→どういうこと?選手に事情を聞いた

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   2001年に発売されたゲーム機「ゲームボーイアドバンス」(GBA)が、「現役最新ゲーム機」として活躍する場所がある。競輪選手が試合前に過ごす宿舎だ。

   不正防止のため、競輪選手は宿舎への通信機器の持ち込みが厳格に禁じられている。その中で楽しめる、数少ないゲーム機がGBAなのだという。競輪選手・田村風起(25)さんが2021年9月8日、ツイッター上で話題にしたことで大きな注目を集めた。

   J-CASTニュースは田村選手に15日、宿舎で楽しんでいるゲームソフトや宿舎での過ごし方を取材した。

  • GBAが「最新ゲーム機」
    GBAが「最新ゲーム機」
  • GBAが「最新ゲーム機」

「桃鉄」もNG...その理由は?

   田村選手は、日本競輪選手会奈良支部所属107期の競輪選手。DMM競輪とスポンサー契約しており、SNSやブログでの発信がファンの間で好評だ。そんな田村さんの日常を伝えたツイートが、競輪ファン以外からも大きな注目を集めた。

「今時GBA!?という人々の心の声が聞こえる」
「通信機器持ち込み禁止の競輪選手宿舎ではれっきとした現役最新ゲーム機なんやで」

   なんと競輪選手宿舎では、GBAが最新ゲームなのだという。田村選手の手元のゲーム機には2004年発売の「ポケットモンスター ファイアレッド」のプレイ画面が映されていた。この投稿には約9000件のリツイート、約2万「いいね」の大きな反響が寄せられている。

   競輪宿舎では八百長などの不正を防ぐため、「電話通信機器等」にみなされるものを持ち込むことはできない。田村選手によると、持ち込み可能なゲーム機も規定で定められており、それ以外は持ち込めないという。

   持ち込みが認められているのはGBAのほか、ゲームボーイ、ゲームボーイブロス、ゲームボーイポケット、ゲームボーイライト、ゲームボーイアドバンスSP、ゲームボーイミクロの7種類のみ。ゲームボーイカラーは赤外線通信が可能なため、持ち込みが認められていない。また、以前は据え置きゲームの持ち込みは可能だったが、昨今は通信機能を備えるために一律で持ち込めなくなったそうだ。

   ソフトにおいても、「桃太郎電鉄」シリーズなどの対人ゲームも選手同士の賭博の原因となるとして禁じられているとのこと。

競輪選手は宿舎でどう過ごす?

   それでは厳格なルールの中、選手はどのような宿舎生活を過ごすのだろうか。

   田村選手によれば、宿舎につくとまず自転車の検査などが行われる。その後、ウォーミングアップを行い、ほかの選手と談笑をすることもあるが、それ以外は暇だという。

   余暇の過ごし方については、こう話す。

「宿舎には『巣箱』という4人部屋にカーテンで仕切られたプライベート空間があります。そこにこもっているときにゲームを楽しむことがありますね。
プレイするゲームは、今のところGBAだけですね。ソフトは『パワプロクンポケット』、『ロックマンエグゼ』などをやりました。普段は、どちらかというと小説を持ち込むことが多いです」

   ただし、もし持ち込みが可能であればPlayStation 2で、「メタルギアソリッド2」や「機動戦士ガンダム戦記」、「信長の野望」や「太閤立志伝」シリーズを楽しみたいとのことだ。

   このように、競輪選手は制限の多い宿舎生活を過ごすことになるのだが、田村選手は趣味のために走り続けている。

「車、時計、カメラ、バイク、アウトドア、本、映画鑑賞、ドール。『アイドルマスター』などのゲームも好きです。人よりはアニメも見ていると思います。ほんとにきりがないくらい手当たり次第に手を出しています。多趣味で楽しいですけどお金がかかりますね」

   「推し」キャラクターは、「アイドルマスター」の萩原雪歩と「アイドルマスターシャイニーカラーズ」の芹沢あさひ。田村選手は「推しのために競輪選手になった」述べる。多趣味な活動や推しを支えるため、競輪は「オタクが人生に根付いている人間の生きていく術」だと話した。

   田村選手は、競輪選手の日常に注目が集まったことについて「こんなにいろんな人が反応してくれたのは珍しい」と驚く。そして、これをきっかけに個性豊かな競輪選手の個性や人生に興味を持ってもらいたいと話す。

「競輪は『たくさんの選手が走っている』という印象を持たれがちですが、個人をピックアップすると僕みたいな個性豊かな選手、異色の経歴を持つ選手もいっぱいいます。
選手個人が見えると応援しがいのある競技だと思うので、ぜひ興味を持ってほしいです。
競輪選手で競輪しか知らずに人生を送っている人もいますが、一般の方と同じような趣味を持って競技に挑む選手もします。いろんな話ができる選手がいると伝えたいです」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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