2024年 5月 6日 (月)

「子供が野球をやってみたいと言い出した」 WBC優勝1か月、少年向け教室じわり問い合わせ増加

   日本が熱狂したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から1か月以上が経った。2023年3月8日の開幕戦から22日(日本時間)の決勝戦まで数々のドラマがあり、侍ジャパンの3大会ぶりの優勝で幕を閉じた。侍ジャパンの「世界一」は日本球界に何をもたらしたのか。J-CASTニュース編集部は、球界の底上げに焦点を当て各関係者に話を聞いた。

  • WBC優勝を決めた日本代表(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
    WBC優勝を決めた日本代表(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
  • 子供を指導する元ロッテ投手の山口氏
    子供を指導する元ロッテ投手の山口氏
  • WBC優勝を決めた日本代表(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
  • 子供を指導する元ロッテ投手の山口氏

「一番うれしいのは親御さんだと思います」

   WBCの優勝は日本球界の将来を担う子供たちにどのような影響を与えたのだろうか。米国との決勝戦が行われた3月22日から1か月が過ぎた4月22日、東京都世田谷区で子供向けの野球教室「OAKS BASEBALL CLUB」を主宰する篠田哲次氏(52)に現在の教室の状況を聞いた。

   同教室は、小学生以下を対象とした「幼稚園クラス」と「小学校低学年クラス」「小学校高学年クラス」の3つのクラスがあり、月に3回のペースで主に金曜日の午後に教室が開かれる。コーチスタッフはプロ野球OBで構成され、大洋ホエールズの投手として活躍した齊藤明雄氏(68)、ヤクルト、阪神などでプレーした野口寿浩氏(51)らが指導に当たっている。

   同教室に通う子供たちの目的は様々で、地元の野球チームに所属しプロ選手を目指す子もいれば純粋に野球を楽しみたい子もいる。運動不足の解消、体力向上を目的とする子もいるという。

   篠田氏によると、WBCが終了してから1か月で会員数は約10%増えたという。問い合わせが殺到しているわけではないが、その数は確実に増えている。篠田氏は「例年に比べると野球をやったことがないというお子さんが多かったです。グローブを持っていないお子さんが野球をやってみたいと。お子さんに話を聞くとみんなWBCを見たと言っていました」と語り、次のように補足した。

「一番うれしいのは親御さんだと思います。お子さんに何かやらせたいけども何をやらせていいか分からないという親御さんが、お子さんが自分から野球をやりたいと言ってくれて楽しそうに野球をやっているのを見ている。無料体験に参加して楽しそうにやっているのを見て『連れてきて良かったです』『子供が続けたいと言っているのですけど入会できますか』と。お子さんが野球をやりたいと言い出すなんてお母さんのプランには全くなかった選択肢だったかもしれません」

   篠田氏はWBC効果を認めた上で、「野球をやる子供が爆発的に増えなくても本来野球をやらない子供が野球を始めたり、WBCがなければ野球をやらなかったという子供が野球をやるようになったと思います。底辺拡大というよりも縮小を止めたという言い方ができると思います」と説明した。

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