ツイッターの投稿を読み込むことができないと、利用者の間で混乱する声が広がっている。運営する米X社のイーロン・マスク氏は2023年7月2日、1日当たりの閲覧数を一時的に制限しているとツイッター上で発表した。一部のツイッターユーザーの間では代替となるSNSを探す声が広がっている。突然の「閲覧制限」収束のめども立たず日本時間1日22時ごろから、ツイッターのタイムラインを更新できないという投稿が相次いだ。投稿を読み込もうとすると「API(編注:アプリケーション・プログラミング・インターフェース、外部サービスと連携できる仕組み)呼び出しの回数制限を超えました」という文言が表示されたという。その後のマスク氏の発表によれば、「極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するため」に一時的な制限を適用したという。スクレイピングとはウェブサイトからデータを収集する行為で、規約で禁じられている。3日18時時点では、認証済みアカウントは1日当たり1万件まで、未認証のアカウントは1000件まで、新規の未認証アカウントは500件に限り閲覧できるとしている。この制限について事前告知は行われておらず、利用画面で実施期間など詳細は不明だ。ツイッターの利用者の間では混乱が広がった。1日から2日にかけては、「API制限」「Twitter不具合」などの単語がトレンド入りを果たしている。マスク氏の言動も利用者の不信感を募らせた。閲覧制限が続く中、マスク氏は次のような皮肉投稿をリツイートしている。「私が『閲覧制限』を行っている理由は、私たちが皆ツイッター中毒者であり、外に出る必要があるからだ」この期間にキャンペーンを行っていた企業もあり「危なくて企業広告出せない」といった声もある。2日には人気アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の最終話が放送された。これに合わせてツイッターでは、関連するハッシュタグを用いるとハッシュタグ末尾に主人公・スレッタの絵文字が表示されるキャンペーンが展開された。ブランド絵文字を表示するツイッター上の広告の一種だ。最終話の放送日が閲覧制限と被ったことで、ファンからは「制限で色んな人の感想ツイートが見れない」「せっかくハッシュタグにアイコン付く企画やったのに当日のTwitterがこれ、残念すぎるな」などと嘆く声が広がった。「危なくて企業広告出せない」の声もこうした状況を受けて、ツイッターでは「しばらく別のSNSへ移動します」「ツイッター代替探そうかな」などと、代替となるSNSを探す声が広がっている。インスタグラムやティックトック、フェイスブックなどの著名なSNSのほか、ツイッターのように短文でのやりとりができる「Mastodon(マストドン)」、「Misskey.io(ミスキー)」などが注目を集めている。さらにフェイスブックやインスタグラムを運営するMetaがツイッターに代わるアプリを開発していることも話題になっている。報道によれば、仮称は「P92」でリリース時期などは不明だ。このほか、ツイッターの共同創業者が関わった招待制SNS「Bluesky」、トランプ前米大統領が立ち上げた「truthsocial」なども一部で話題になった。その一方で「どこにも行くところはない」「とりあえずTwitter残るかな」などと、諦観する声もあった。
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