2024年 5月 16日 (木)

風俗店勤務で妊娠→赤ちゃん遺棄で有罪に 「射精責任」を弁護士と考える #望まない妊娠

風俗店勤務で「望まない妊娠」をしてしまった場合、立証が難しい?

   今回の事件は、女性は風俗店に勤務し、避妊せずに客と性行為に及ぶこともあり、その中で妊娠したと報じられている。SNSでは店側の責任を問う声も多い。

   風俗店での本番行為は、売春防止法により禁止されている。事件を起こした女性が妊娠したということは、風俗店での本番行為(挿入を伴う性交)があったとみられる。

「今回の風俗店の場合、契約の内容に本番行為が含まれていないのに、密室で断りきれない状態で性交させられた結果妊娠したという場合は、不同意性交罪になる可能性があります。もちろん、立証するのが非常に難しいかもしれませんが、妊娠の原因になる行為について、処罰される可能性はあると思います」

「不同意性交であれば妊娠したことが要件ではないので、訴えることはできます。本当にしたかどうかに対して、もし妊娠していたら、DNA鑑定によって、少なくとも性交があったということの立証になります。今回の場合は致死なのでその後の問題はないですが、子供が生まれた時は子供に対してどう責任を取るかという話になります」

   本番行為を容認、あるいは強要していたのであれば風俗店経営者の責任は問えないのか。原田弁護士は「刑法上は難しい」と指摘するが、「民法上はあり得るかもしれません」という。

「風俗産業は、今、デリヘルが1番多いと思います。デリヘルは、お店の直接の管理下ではないところで、性行為をさせられることがありますよね。ホテルや部屋に行くのは、危険度が高い営業形態なので、キャストの安全をきちんと確保していたかどうかを争点に争える可能性は、民法上や労働法上はあるかもしれません。『(性行為が)できますよ』と言ってキャストには内緒で売り込んでいたとも考えられます」

   とはいえ、訴訟を起こしても「立証が難しいのではないか」と付言する。

「店側は『知らなかった』と言うはずです。お店のホームページなどには(本番行為ができると)絶対書いていません。存続している店はその点を指摘されないようにしていると思います」

   さらに風俗の問題でいえば、女性がきちんと働いて賃金を得る場所がなく、風俗産業が社会的な貧困や弱者の受け皿になっていると原田弁護士は指摘する。

   性行為を行うのは男女であっても、生物学的には、その結果は女性だけに負担がかかる。女性に様々な選択の余地を認めて、「結果を女性だけが負担しなくてはならない社会を変えていかなければならない」と原田弁護士は訴える。

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