「もう飛び込むのは結構」「反省」 阪神優勝で話題、「道頓堀ダイバー」たちに聞いた「やめるべき理由」

   「もう飛ぶつもりはありません」――プロ野球・阪神タイガースが18年ぶりにリーグ制覇を果たし、興奮した一部の人々が大阪・道頓堀に飛び込んだ。過去には死傷者も出ており、危険な行為だ。かつて飛び込んでしまった人は、J-CASTニュースの取材に対し冒頭のように語った。

   お祭りごとに乗じて現れる「道頓堀ダイバー」は、なぜ危険を顧みずに飛び込んでしまうのか。飛び込んだ後にどんなことに悩まされたのか、取材した。

  • 話題となった「道頓堀ダイバー」(写真:アフロ/2023年9月14日撮影)
    話題となった「道頓堀ダイバー」(写真:アフロ/2023年9月14日撮影)
  • 道頓堀橋を守る警察官とバリケード(2023年9月14日撮影)
    道頓堀橋を守る警察官とバリケード(2023年9月14日撮影)
  • 阪神の優勝で盛り上がる道頓堀(2023年9月14日撮影)
    阪神の優勝で盛り上がる道頓堀(2023年9月14日撮影)
  • 阪神の優勝で盛り上がる道頓堀(2023年9月14日撮影)
    阪神の優勝で盛り上がる道頓堀(2023年9月14日撮影)
  • 話題となった「道頓堀ダイバー」(写真:アフロ/2023年9月14日撮影)
  • 道頓堀橋を守る警察官とバリケード(2023年9月14日撮影)
  • 阪神の優勝で盛り上がる道頓堀(2023年9月14日撮影)
  • 阪神の優勝で盛り上がる道頓堀(2023年9月14日撮影)

「一言で言うと楽しそうだったから」18年前に飛び込んだ女性の回顧

   2023年9月14日、大阪の繁華街・ミナミは阪神タイガースリーグのセ・リーグ優勝に沸いた。各社の報道によれば、戎橋周辺の遊歩道から26人が道頓堀川に飛び込んだという。2003年にリーグ優勝を果たしたときも、戎橋から約5000人が川に飛び込み、1人が死亡したと報じられた。このほか年末年始やハロウィンなどお祭りに乗じて飛び込む人が後を経たない。

   取材に応じた女性は18年前、大学生のころに道頓堀に飛び込んだ。「今後飛び込む人が減るよう啓発に使って下さい」と、次のような体験談を明かした。

「道頓堀は凄い熱気で、すでに飛び込みが始まっていました。あの時は警官もいませんでした。全裸の男性が街頭に登ったりしていました」

   理由は、「一言で言うと楽しそうだったから」と振り返る。女性によれば、飛び込む人間は「行きます!」と宣言し、自分の名前をコールするように呼び掛ける。周囲からは「いけいけ」「よ!べっぴんさん!」「さいこー!」などの声があがる。

   大阪市によれば、水深は約3.5メートルで足のつかない深さだ。しかし女性は、高揚感からか恐怖を感じなかった。周囲の熱気に押され、携帯を手にしたまま道頓堀に飛び込んだ。

「まず底のヘドロに足が埋まった。臭い。毛穴から匂いが入り込んでくる。臭い。目開けられない。臭すぎて無理」

   周囲の声を頼りに陸に戻ると、水をかけられたりタオルを差しだされたりした。飛び込んだときの服は臭かったので、脱いで袋に入れた。手にしていた携帯は壊れ、当時の彼氏とは喧嘩になったという。

   道頓堀周辺は裸の人々であふれており、自身も下着姿でラブホテルに歩いて行った。宿泊を拒否されることもなく一人で入ると、飛び込んだときの服を何度も洗った。汚れを落とし、消臭剤をたっぷりかけると、「気にならない程度」にはなったという。洗濯に用いた風呂場を清掃してから帰宅した。

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