秋田市「まさか」の大水害から2か月 住民が証言する発災時と今

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猛暑下の片づけ、心身不調になる高齢者

   翌16日、道路にたまった茶色く濁った水は減り始めた。東通一帯は、内水氾濫による浸水とされる。神原さん宅は床下浸水だったが「においが、すごかった」。灯油が入り混じったような臭気だったと話す。

   浸水した住居を何とかしなければならない。屋内に流れ込んだ水や泥をかき出し、部屋の換気と拭き掃除、消毒。濡れた家具の移動や処分も必要だ。カビの繁殖を防ぐため、浸水した床下の地面を乾かしたり、壁紙をはがして断熱材を撤去したりという作業は、スキルや人手がないと難しい。加えて今夏は、猛暑に見舞われた。7月23日から1か月以上、市内は最高気温30度以上の日が続いた。心身共に不調に陥る高齢者や、「もうここには住めない」と移転を検討する住民が出始めた。

   秋田市は一部地域の「内水浸水想定区域図」を公表している。東通は未完成のため、荻田さんが7月の被災地域に等高線図を重ねて自作したところ、近所は内水氾濫が起きる可能性が高いと分かった。

   水害後の後片付けは、被災者の気力・体力を奪う。「豪雨災害が、また起きたら」。その不安が荻田さん夫妻、神原さんを悩ませる。

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