「働かない中年社員」大企業の6割「思い浮かぶ人いる」 悪いのは会社か本人か

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   「働かない中年社員」問題は、会社のマネジメントと本人の心構え、いったいどちらが悪いのだろうか。マーケティングリサーチの「アスマーク」(東京都渋谷区)が2023年9月27日に発表した調査「本人が悪い? 会社が悪い? 自主調査『働かないおじさん』問題」によると、「会社が悪い」とする人が「本人が悪い」とする人を上回る結果になった。

   ところが、30代女性だけは「本人が悪い」とする人が突出して多かったのだ。

  • ただただ一日中パソコンを見ているが…(写真はイメージ)
    ただただ一日中パソコンを見ているが…(写真はイメージ)
  • (図表1)「働かない中年社員」思い浮かぶ人がいるか?(アスマーク作成)
    (図表1)「働かない中年社員」思い浮かぶ人がいるか?(アスマーク作成)
  • (図表2)思い浮かぶ人がいる性別年代・従業員数別の割合(アスマーク作成)
    (図表2)思い浮かぶ人がいる性別年代・従業員数別の割合(アスマーク作成)
  • (図表3)思い浮かぶ人がいる業種別割合(アスマーク作成)
    (図表3)思い浮かぶ人がいる業種別割合(アスマーク作成)
  • (図表4)「働かない中年社員」なぜ働かないと思うか(アスマーク作成)
    (図表4)「働かない中年社員」なぜ働かないと思うか(アスマーク作成)
  • (図表5)「働かない中年社員」本人が悪いか?会社が悪いか?(アスマーク作成)
    (図表5)「働かない中年社員」本人が悪いか?会社が悪いか?(アスマーク作成)
  • ただただ一日中パソコンを見ているが…(写真はイメージ)
  • (図表1)「働かない中年社員」思い浮かぶ人がいるか?(アスマーク作成)
  • (図表2)思い浮かぶ人がいる性別年代・従業員数別の割合(アスマーク作成)
  • (図表3)思い浮かぶ人がいる業種別割合(アスマーク作成)
  • (図表4)「働かない中年社員」なぜ働かないと思うか(アスマーク作成)
  • (図表5)「働かない中年社員」本人が悪いか?会社が悪いか?(アスマーク作成)

職場のモチベーション下げる存在

   調査によると「働かないおじさん」とは、収入や期待される成果に見合った仕事をしていない中高年男性を指す言葉だ。どの世代にもローパフォーマーはいるが、年功序列が浸透している日本企業では、中高年世代の、特に男性の人件費が高い。

   「なぜあの人が、自分より高い給料をもらっているのか」という不満が若い世代から出て、職場のモチベーションを下げていることが問題になっている。

   アスマークの調査では、タイトルこそ「働かないおじさん」だが、「性別にかかわらず『収入に見合った仕事をしていない40代~50代社員』」というくくりで実態を聞いた。インターネット調査で、対象は、22歳から56歳までの正社員の男女、合計1200人(20~50代の世代ごとに男女150人ずつ)。期間は2023年4月4~12日。

   まず、「自分の会社で、働かない中年社員が思い浮かぶか」と聞くと、「思い浮かぶ人が多い」(24.3%)と「思い浮かぶ人がいる」(27.4%)を合わせて、半数以上(51.7%)が社内にいると答えた【図表1】。

   性別年代別でみると、「思い浮かぶ人がいる」は男女とも20代では低いが、30代以上になると「働かない中年社員」を思い浮かべる割合が5割を超え、特に女性の30~40代では「思い浮かぶ人が多い」が3割を超える【図表2】。

   また、従業員数別でみると、従業員数が多いほど増える傾向がはっきりする。1000人以上の大企業になると、「働かない中年社員」がいる割合は6割を超える(62.5%)。これは従業員100人未満(39.2%)の中小企業の約1.6倍だ。

   業種別では、「働かない中年社員」が多いところと、少ないところの違いがあるようだ。【図表3】は「思い浮かぶ人が多い・少ない」業種を比較したグラフ。どの業種にも4割以上いるものの、バラツキが大きい。

   最も多かったのは「電気・ガス・水道業」(69.0%)、次に「教育・学習」(67.6%)でどちらも7割近い。一方、最も少なかったのは「卸売・小売」(40.0%)、次いで「IT・情報通信」(43.1%)だった。

   ところで、「働かない中年社員」はなぜ働かないと思うのか。「意欲が低い」と「うまく働けていない」の2択で聞くと、全体的には「意欲が低い」(56.4%)が「うまく働けていない」(43.6%)を上回った【図表4】。

   興味深いのは、「思い浮かぶ人がいない」ケースでは、「うまく働けていない」(58.3%)という同情的見解が多数派を占めたのに対し、「思い浮かぶ人がいる」ケースでは、本人の「意欲が低い」(70.2%)ことに問題があると指摘する傾向が顕著だったことだ。

   これは、実際に身近で「働かない中年社員」と接しているか、どうかの違いだろうか。

   さて、「働かない中年社員」問題、本人が悪いのか、それとも会社が悪いのか。【図表5】は、性別年代別に聞いたグラフだ。全体の結果をみると「本人が悪い」5割弱(46.6%)に対して、「会社が悪い」が5割強(53.4%)となっており、マネジメント側の問題という考え方がやや多い結果となった。

   ただし、男女とも当事者世代の50代では「会社が悪い」が6割以上と高い。だが、女性30代では「本人が悪い」が6割弱(58.7%)と、他の世代に比べ突出して高い結果になった。これはどういうことだろうか。

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