2024年 4月 28日 (日)

「あまりに誠意ない」ヴィレヴァンのコラボ企画、途中で連絡途絶える 当事者VTuber悲しみ「個人活動者を使い捨てにする行為」

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   雑貨店・ヴィレッジヴァンガード(愛知県名古屋市)からコラボグッズ制作の企画を持ち掛けられ、同社担当者と打ち合わせをしていたにもかかわらず、その後連絡が取れなくなったというクリエーターのX(旧ツイッター)での投稿(現在は削除)が話題となり、引用やリプライには「自分も同様のことをされた」とするクリエーターからのコメントも複数寄せられた。

   J-CASTニュースは、同様の対応をされたという2人のクリエーターに話を聞いた。

  • ヴィレッジヴァンガード公式サイトより
    ヴィレッジヴァンガード公式サイトより
  • 博多弁男子ふくめんさん公式サイトより
    博多弁男子ふくめんさん公式サイトより
  • YouTubeチャンネル「博多弁男子ふくめん Fukumen Ch. 【福岡ご当地Vtuber】」より
    YouTubeチャンネル「博多弁男子ふくめん Fukumen Ch. 【福岡ご当地Vtuber】」より
  • ヴィレッジヴァンガード公式サイトより
  • 博多弁男子ふくめんさん公式サイトより
  • YouTubeチャンネル「博多弁男子ふくめん Fukumen Ch. 【福岡ご当地Vtuber】」より

連絡が取れなくなった後、再度営業メール

   発端の投稿は、2023年12月19日に投稿され話題となったが、21日にヴィレッジヴァンガードから正式に謝罪があったとして削除されている。

   J-CASTニュースは21日、ヴィレッジヴァンガードから同様の対応をされたというギャル系VTuberの紫藤ナナさんに話を聞いた。最初に連絡があったのは2022年11月14日だった。「我社でコラボグッズを作りませんか、という、よくある営業メールではありましたが、会社名の大きさもあり前向きな返信をしました」という。

「次回リモート打合せを提案され、11/21にリモート打ち合わせを行いました。打ち合わせではどのような実績があるか、ロイヤリティについてなどを小一時間説明されました。特にこの時点ではどのようなグッズを作成するかなどの話はなく、規定通りのご説明といった感じでしたので、メールでPDFなどを頂ければ確認できる内容であり、リモートである必要性は特段感じられませんでした。

その後、ヴィレヴァンさんが声をかけてきた側にもかかわらず、『紫藤ナナ様でグッズが作れるか、一度社内で稟議いたしますので少々お待ちいただけますか?場合によってはお話が進まないこともあるのですが...』と言われました」

   その後は「どうなったという連絡は一切ありませんでした」という。しかし、今年に入って別の担当者から連絡があったという。

「連携が上手くいっていないのか、まったく別の担当者から2023/8/4に最初とほぼ同じ内容(当社でグッズを作りませんかという旨)の営業メールが届きました」

「クリエーターや活動者を使い捨てにするこのようなやり方はなるべく減ってほしい」

   紫藤さんの場合は初回の打ち合わせで連絡がつかなくなったため「代金(の授受)や契約書は交わしておりません」というが、「メールや打ち合わせのために他の業務より優先して空けた時間に対して、誠意ない対応にて終了したことに、ただ悲しんでおります」と心境を明かした。

   紫藤さんはさらに、ヴィレッジヴァンガードの対応に「個人活動者を使い捨てにする行為」と怒りをあらわにし、次のようにコメントした。

「やりとりから察するに、個人レベルのクリエーターや活動者に対して、まず担当社員が『独断で勝手に』殆ど無作為なばら撒き営業メールをしていて、その中で返事があった人を、ようやく社内で稟議するという流れだと思われます。

クリエーターや活動者の時間や気持ちに対して、あまりに誠意のないやり方です。さらに、うまく稟議が通らなかったらメールすらもうしない、というのはあまりに個人活動者を使い捨てにする行為だと感じます。

ただ、私のような個人活動者ですと、やはり評判が物を言いますし、下手に被害の声をあげると『この活動者はすぐにリークする』というイメージがつき、その後企業案件などが受けづらくなる面があるとも思います。また今回のように単に相手企業のネームバリューが大きく、たかだか自分の声などかき消されるのではないかというおそれもありました。

たまたま今回、私のツイートが注目していただけただけで、本当はもっと甚大な被害を受けた方がいると思います。正直な話、私としても、このような悲しい対応を企業に取られたのは、今回の件だけに限りません。

個人でやっていく以上みなさんある程度はこのようなトラブルも承知ではあると思いますが、被害を主張しづらいことをいい事に、クリエーターや活動者を使い捨てにするこのようなやり方はなるべく減ってほしい思いで、今回の取材をお受けいたしました」

「今後はもっと円滑なやり取りができると嬉しい」

   「福岡ご当地VTuber」として活動する博多弁男子ふくめんさんにも21日、話を聞いた。

   ふくめんさんは22年12月、福岡県内にあるヴィレッジヴァンガード店舗のSNSに自身とのコラボグッズ制作の企画が可能かどうか問い合わせた。社内で確認すると返事があった後、23年1月に別部署の担当者から連絡があり、メールで企画書と打ち合わせ日程を決めたいという旨が送られてきたという。

   2月2日に打ち合わせをすることが決まり、直前になって担当者が変わったものの、打ち合わせではふくめんさんの誕生月に合わせて6月にグッズを発売することが決まったという。

   しかしその後、連絡が途絶えた。担当者に問い合わせても返事がないため、4月12日に最初に問い合わせた店舗のSNSに連絡したところ、同月30日に担当者から連絡が来た。グッズのラインナップを確認する内容だったという。

   ふくめんさんはそれに返信し、グッズの内容等について何度かやり取りしたのち、5月中旬から再度連絡が取れなくなった。グッズのサンプルもヴィレッジヴァンガード側から聞いていた日に届かず、担当者に問い合わせたところ、6月30日に「メーカー側から出荷の確認ができておらず確認中」という旨のみが送られてきたという。

   この連絡を最後に再度音沙汰がなくなるが、9月に入ってグッズのメーカーから連絡があった。契約に関する内容で、ふくめんさんはメーカーと「商品化使用許諾」の契約を結んだ。その後はヴィレッジヴァンガードではなくメーカーを通してやり取りをしたものの、「最後は10月くらいに連絡がついたのですが、資料を返送後連絡がついてません」という。

   ふくめんさんはコラボ企画にあたり「(イラストレーターへの)グッズのためのイラストの依頼と(ヴィレッジヴァンガードへの)提出」を行ったというが、12月21日現在、グッズのサンプルも届いていないままだとした。

   ふくめんさんは今回の件に関して、次のようにコメントした。

「コラボが決まった時はすごく嬉しかったのですが、生誕祭に合わせて販売のはずだったのにどんどん延びてしまい、信用度は下がったのは否めません。ヴィレッジヴァンガードさんは、リアルでも今も買い物に行くし、面白い企業とは思ってるので、今後はもっと円滑なやり取りができると嬉しいです」

ヴィレッジヴァンガードは「取材は辞退させていただきます」

   ほかにも、あるクリエーターはJ-CASTニュースの取材に、ヴィレッジヴァンガードから制作物の委託販売を持ちかけられたと明かす。「契約書・納品書などがとても複雑な書式だった」といい、説明のための打ち合わせ日程を決めてほしいと依頼したところ、「家が遠いので対面では難しい。また連絡する」と言われたきり、連絡が途絶えたという。

   J-CASTニュースは22日、ヴィレッジヴァンガードに事実を確認するため取材を依頼したが、ヴィレッジヴァンガードは、「我々の方から間違ったことを言ってしまっては迷惑をかけてしまいますので、取材は辞退させていただきます」とした。

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