井上尚弥とネリ対戦は「5・6東京ドーム」報道 識者が解説する歴史的意義

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   米スポーツ専門局「ESPN」(WEB版)が2024年1月25日、プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、30)が5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、29)と対戦すると報じた。東京ドームでの試合が実現すれば、90年2月のマイク・タイソン対ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶりで、日本人のメインイベントは初めてとなる。

  • 井上尚弥選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
    井上尚弥選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
  • 井上尚弥選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「東京ドームは特別な場所なのです」

   過去に2度、日本のリングに上がったネリはドーピング疑惑、体重超過などの失態が続き日本のボクシングファンの間では「悪童」として知られる。バンタム級に続いてスーパーバンタム級でも4団体王座統一を果たした井上が、ネリと対戦する「意義」はあるのか。J-CASTニュースは、数多くの世界タイトル戦をプロモートしてきたTMKジムの金平桂一郎会長(58)に話を聞いた。

   金平会長は「まず井上選手が5月6日に東京ドームで試合を行うという報道が正しいという前提で話します」と前置きし、ネリ戦の意義について持論を展開した。

「井上選手が日本人ボクサーとして初めて東京ドームでメインを張ることに意義があると思います。タイソンが88年3月に東京ドームのこけら落とし興行で世界タイトル戦を行い世界中の話題をさらいました。東京ドーム第2戦目となった90年のジェームス・ダグラス戦での初黒星は、ショッキングなニュースとして世界中に伝わりました。このように日本ボクシング界にとって東京ドームは特別な場所なのです」

   当時、世界ヘビー級3団体統一王者だったマイク・タイソン(米国)は88年3月に東京ドームでトニー・タッブス(米国)と対戦し2回TKO勝利。90年2月にはジェームス・ダグラス(米国)と防衛戦を行い、まさかの10回KO負け。「鉄人」タイソンのプロ初黒星は世界中に衝撃を与えた。世界のボクシング界では「史上最大の番狂わせ」のひとつとして語り継がれている。

「ネリ選手を倒してほしいと思うファンの方も大勢いるでしょう」

   日本のボクシング界に強烈な印象を残したタイソン対ダグラス戦から34年。世界の「モンスター」が日本人初となる東京ドームのメインイベンターとしてリングに上がろうとしている。

   金平会長は「対戦相手がネリ選手ならば集客も見込めます」とし、「タイソンの過去2試合の観客数に肉薄できるかという大きな意義がある。ネリ選手と対戦することにいまだに日本のファンの方に根強い反対があるが、対戦が正式決定すれば盛り上がることは間違いないでしょう。日本でファンに色々と反感を買ったが、井上選手にネリ選手を倒してほしいと思うファンの方も大勢いるでしょう」との見解を示した。

   ネリは過去にWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)と2度対戦しており、17年8月の初戦でドーピング疑惑が浮上し、2年目の18年3月の世界タイトル戦では前日計量で体重を超過。保持していた王座をはく奪される失態を犯した。このような中でネリは2試合ともTKOで山中を破っていることから日本ボクシングファンの間で「悪童」と呼ばれている。

   金平会長は「後味が悪い結果になったとはいえ、ネリ選手は山中選手に2度勝っている。それこそ日本のファンにとっては憎き相手。試合は井上選手がノックアウトで勝つと思いますが、今までのようにサクサクッとノックアウトできるかどうかといえば、危険性が高い試合になると思います。ネリ選手はボディーを嫌がる傾向はあるがタフでもあり、タフな試合を勝ってきている。そのネリ選手を井上選手がどのように攻略するか楽しみでもあります」と語った。

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