米大リーグ、サンフランシスコ・ジャイアンツを退団し、5年ぶりに古巣のDeNAに復帰した筒香嘉智だが、万全の状態を取り戻すまではもう少し時間が掛かりそうだ。
「メジャーに挑戦する前から直球に強いとは言えなかった」
2024年5月3日のイースタン・リーグ・ヤクルト戦に「3番・左翼」で出場。4月30日のオイシックス戦(横須賀)以来の実戦出場となったが、初回は二ゴロ、4回は右飛に倒れて途中交代。ファームの打撃成績は14打数3安打、打率.214、0本塁打となった。
筒香が打席に入る度に大きな歓声が送られるが、投手にアジャストしているとは言えない。打者有利のカウントで直球をファールにしたり空振りしたりするなど、きっちり捉えた打席が少ない。筒香は速い球への対応力が課題とされ、メジャーでも思い描いた活躍ができなかった。
早期の1軍昇格を期待する声が高まっているが、スポーツ紙デスクは「実戦から離れてブランクがあるし、もう少し時間が掛かるでしょう。変化球をうまくさばくイメージが強く、メジャーに挑戦する前から直球に強いとは言えなかった。このレッテルを覆すような打撃を見せられなければ、相手バッテリーは徹底的に弱点を突いてくるでしょう」と分析する。
DeNAは佐野恵太、牧秀悟、宮崎敏郎のクリーンアップの後を打つ6番がポイントになるが、なかなか固定できていない。かつて侍ジャパンの4番を務めた筒香が入れば一気に破壊力が増すが、それは万全の状態で戻ってくることが前提となる。課題を解消できないまま1軍に上がっても結果は残せないし、チームにプラスアルファをもたらせない。現状と目指す打撃にギャップを感じているかもしれないが、焦らず、最善の準備を尽くす。(中町顕吾)