家族の携帯電話番号、半数以上が覚えていない 災害時はスマホが使えず...専門家が語る「緊急時の連絡方法」

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   災害時にはスマホが使えなくなることがある。公衆電話などから家族と連絡をとろうとしても、覚えていなければ電話をかけることができない。

   ところが、NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2025年3月3日に発表した調査「同居家族の携帯電話の番号を覚えているか」によると、半数以上が1人も覚えていないことがわかった。

   やはり、しっかり覚えていないとダメだろうか。調査担当者に聞いた。

  • 災害時にはスマホが使えない場合が多い(写真はイメージ)
    災害時にはスマホが使えない場合が多い(写真はイメージ)
  • (図表1)同居家族の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
    (図表1)同居家族の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
  • (図表2)別居家族の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
    (図表2)別居家族の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
  • (図表3)配偶者の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
    (図表3)配偶者の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
  • 災害時にはスマホが使えない場合が多い(写真はイメージ)
  • (図表1)同居家族の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
  • (図表2)別居家族の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)
  • (図表3)配偶者の携帯電話番号を覚えているか(モバイル社会研究所作成)

若年層や女性ほど、家族の電話番号を覚えている

   災害時には停電などにより、スマホの電源が切れることが多い。代替手段(公衆電話や固定電話、ほかの人のスマホ)で電話をかける時に、自身のスマホを見れば電話番号がわかっても覚えていなければ電話をかけることはできない。また、メッセージ機能もスマホの電源が切れると使えなくなる。

   モバイル社会研究所の調査(2024年11月)は全国の15~79歳の男女1万355人が対象。

   まず、同居している家族の携帯電話(スマホやケータイ)の番号を覚えているかを聞くと、少なくとも1人の番号を覚えている人は49%だった。年代別に見ると、若年層ほど覚えている割合が高く、15~24歳は3人に2人(66.1%)だが、65~79歳では約4割(42.7%)だった【図表1】。

   次に、別居している家族の携帯電話番号を聞くと、少なくとも1人の番号を覚えている人が4人に1人(24.7%)だった。こちらも若年層ほど高く、高年層ほど低い結果が出た【図表2】。

   最後に、配偶者の携帯電話番号を聞いた性年代別の結果が【図表3】だ。若年層と女性ほど覚えている割合が高い傾向になり、特に中年層(45~64歳)では女性のほうが男性より11ポイント以上高い。

モバイルバッテリーは常備しておきたい

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(防災・子ども・シニア調査担当)に話を聞いた。

――現在70代の私は、記憶力が鈍ってきているので、同居している妻や別居している子どもたちの電話番号を全く覚えていません。スマホには登録していますが、災害時のことを考えると暗記しておいたほうがいいということでしょうか。

水野一成さん 災害時には停電が長引くことがあり、スマホの電源が切れてしまうことがあります。自分のスマホが使えなくなった場合、臨時の電話や公衆電話、ほかの人のスマホを使うことができても、スマホの電源が切れていると、大切な人の電話番号が分からず、連絡が取れなくなってしまうことがあります。

そんな事態に備えて、大切な人たちの電話番号は覚えておくとよいでしょう。

――私のようになかなか覚えられない人やめんどうくさい人は、手帳などに家族の電話番号を控えて、常時身に着けておく方法はいかがでしょうか。また、スマホバッテリーも常時身に着けておいたほうがいいでしょうか。

水野一成さん 手帳や紙のメモ帳に控えるのも手だと思います。スマホを確認する以外の方法で知ることができる準備は重要です。ただ、その場合は個人情報の管理は気を付けたいところです。

また、電話番号以外にもスマホは災害時に有効に活用できることは多数あります。たとえば、情報の収集や懐中電灯の代わりなどです。そのためにも、災害の備えとしてモバイルバッテリーは準備しておきたいです。

ちなみに当研究所の調査では、携帯電話用モバイルバッテリーを備えている人は34%しかいません。

平時から公衆電話のかけ方や、災害用伝言ダイヤルの練習を

――災害時にはメモなどを見ながら家族などへの連絡のために公衆電話をかける必要がありますが、日ごろからどういう準備をしておくとよいでしょうか。

水野一成さん 公衆電話についても、10代で28%、20代で31%、30代でも19%がかけ方を知らないという調査結果が出ています。平時にかけ方の練習をしたり、公衆電話が設置してある場所を確認したりすることをお勧めします。

――改めてスマホに関する災害への備えについて、強調しておきたいことがありますか。

水野一成さん スマホはとても便利ですが、電源が切れるなど使えなくなった時の対策を平時から行なっていただきたい。先に述べた以外にも、公衆電話のための小銭の用意や、スマホの節電方法の設定などがあります。

また、災害時には相手の番号がわかってもつながらない場合があります。そういった時には171番をダイヤルして行う「災害用伝言ダイヤル」「災害用伝言板」の活用も検討して欲しいです。こちらも平時からの練習をお勧めします。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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