「作ってみたところあまりにおいしかったので、商品化しました!」──。明治がカップアイス「明治エッセルスーパーカップきなこ」を2025年3月に発売し、パッケージに記載された「開発ウラ話」がXで話題になっている。「おいしかった」のであれば商品化は自然なことで、果たして「ウラ話」なのか疑問も出ている。商品化までの詳しい経緯を同社に取材した。「通常のフレーバーづくりと違うところ」は何か同商品はシリーズ初のきなこフレーバーとして3日に発売、公式サイトでは「きなこの香ばしさを感じるベースアイスにまるで本物のきなこを食べているような食感のクッキーを混ぜ込みました」と紹介されている。注目を集めたのは、パッケージ側面に「開発ウラ話」として記載された下記の文章だ。「実は新フレーバー開発プロジェクトで候補に入っていた『きなこ』。作ってみたところあまりにおいしかったので、商品化しました!」これがXで拡散され、「それって通常の商品化手順じゃないの?」「オモテ話やん」「えっ、別のフレーバーが採用される可能性あったってこと???」などと疑問に思う声も出ている。明治広報部は12日、J-CASTニュースの取材に「今回、通常のフレーバーづくりと違うところとしては、『100%お客様からの声を起点に生まれた』という点になります」と説明した。期間限定フレーバーは通常、客の声も参考にするが「味わいだけではなく市場性やトレンド」も踏まえて発売しているという。一方で「きなこ」誕生のきっかけは、23年6月20日~7月20日に実施したアイデア募集企画「みんなの声で決まる新フレーバー開発プロジェクト」だったと説明する。「"1つのフレーバー"をお客様の声を集めて決める」はずが...プロジェクトは当初、シリーズ発売30周年企画として「"1つのフレーバー"をお客様の声を集めて決める」との考えで実施したという。結果、24年9月から期間限定で「ずんだ」が展開されることとなった(既に終売)。ところが、「ずんだ」を決める前段階で「きなこ」も候補入りしていたといい、その後については「試作をしたところとてもおいしく、せっかく『100%お客様のお声起点に生まれた』フレーバーだったので、30周年第2弾フレーバーとして発売しよう!ということで、今回の発売に至りました」と改めて振り返った。実際、「きなこ」はレギュラー化も望まれるほどXで好評だ。広報部は「おいしいというお声をいただき、大変嬉しく思います」と受け止めつつ、レギュラー化の可能性は、「現在『エッセルスーパーカップ』のレギュラーフレーバーは『超バニラ・抹茶・チョコクッキー』の3種となります。市場性やブランドとしての戦略的な意味合いで、当3フレーバーをレギュラーフレーバーとして据えており、現状では、"きなこ"をレギュラー化する予定はございません」とした。ただ、「販売状況やお客様からのご要望を踏まえ、再度"期間限定フレーバー"として発売をする可能性はございます」とも答えた。30年間で65種類超のフレーバー、今後も「試行錯誤」へ同シリーズをめぐり、広報部は次のようなメッセージも伝えている。「多くの方がこの商品を手に取ってくださっていることに、担当者一同とても嬉しく思っております。きなこの香ばしさを感じられる、"きなこ尽くし"の『明治エッセルスーパーカップきなこ』をお楽しみいただければ幸いです。『明治エッセルスーパーカップ』は、この30年間で65種類以上のさまざまなフレーバーを発売してきました。今後もさまざまな商品をお客様にお届けできるよう、試行錯誤を重ねて参りますので、今後のフレーバー展開もぜひ楽しみにしていてください」
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